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2010年6月11日 (金)

映画:クロッシング(2008年韓国作品)

   出演    キム・ヨンス(父):チャ・インピョ
         キム・ジュニ(子):シン・ミョンチョル
         キム・ヨンハ(妻):ソ・ヨンファ   他

   監督    キム・テギュン

   公式サイト 映画「クロッシング」

   場所    シネマ ジャック&ベティ(横浜黄金町)
   鑑賞    2010年6月11日

 

 物語概要は公式サイトを参照願います。

 

 誰しも今より豊かな未来を願う。キム・ヨンス(父)とて異なることはない。さし当たっての願いは、栄養不良による結核に侵されたキム・ヨンハ(妻)に薬を与えたい、充分な栄養を与えたい。

 しかし、そのささやかとも思えるな願いは、祖国・北朝鮮にいる限り実現されることはない。不法に祖国を脱出、中国に渡ることが、ささやかな望みの一歩になると思う悲しさ。病気の妻と子と家族の思い出を残して父は豆満江を渡る。

 国境の川を不法に渡るしか幸せになる可能性が無いという不幸。その底流に、国民を幸せにしないナショナリズムが存在する。国に忠誠を要求しても、国民に責任を負わない国家があるということ。

 

 これは物語である。
 しかし、映像の部分部分に限りないリアリティを感じる。それは豆満江渡河であり、大使館駆け込みであり、脱北者支援などである。マスメディアの流す映像と重なるからである。

 ゆえに、部分部分を補間して完成した映像も、事実と思って良いだろう。物語ゆえに、反って本質に近づいたとも言えそうだ。

 脱北ルートが様々と知る。父は豆満江渡河。紆余曲折の末にひとまず落ち着いた父が支援組織を介して子を引き寄せる。そのルートは中国各地を経てモンゴルに向う。

 

 父役のチャ・インピョの朴訥さを感じさせる演技、子役のシン・ミョンチョルの素朴さを感じさせる演技、脇を固める役者を含めて心に沁みた。涙を禁じえない。

 と同時に、国民にささやかな望みさえ与えられない国家とは何かと考えた。時代と空間を広げれば、糾弾されるべき数は増える。再び繰り返さないために何が出来るか、考え続けたい。

 多くの人に、心して見て頂きたい映画である。

   (2010年6月11日記録)

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