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2010年5月25日 (火)

演劇:中野成樹+フランケンズ『寝台特急“君のいるところ”号』

   作      ソーントン・ワイルダー『寝台特急ハヤワサ号』より 
   誤意訳・演出 中野成樹

   会場     こまばアゴラ劇場
   公演     2010年5月20日(木)~30日(土)、詳細要確認
   鑑賞     2010年5月24日 17:30~20:50(休憩なし)

 

 「中野成樹+フランケンズ」は初めて観ます。この演目は2000年初演で、今回が4回目。初回上演時間が40分、再演が55分、再々演が65分、今回が80分、次回は120分予定だそうです。大事に育ててきたことが感じられます。

 中野成樹は青年団に一時期在籍していたそうで、そのためか現代口語演劇のスタイルをとります。ソーントン・ワイルダーと相性は良いと思います。ただ、
今なぜソーントン・ワイルダーなのか、そこに興味の中心があります。

 

 ニューーヨークからシカゴに向う寝台列車の車中、風景の描写。舞台上にはホワイトーボード状の作り物が3つ。それぞれに線路を模した作り物が貼り付けてあります。パイプ椅子が8脚、組み合わせを変えながら車中を表現します。

 乗客は医者、ヒステリックな女性、夫婦など。ルームライトが点灯しなかったり、なくし物がでたり、朝6時に起こしてくれと頼まれたり、ボーイは要領得ないままに仕事をこなします。

 夫婦の妻が具合悪くなり別の部屋で安静にしています。夫は様子を見に行ってまた戻ります。ボーイに請われて医者も様子を見に行きますが、部屋を間違えたりして、やがて妻を診断すると既に亡くなっています。
 線路を二つ繋げて天国への階段に、妻は天使と相談し、やがて階段を登っていきます。妻と天使の話し声は客には聴こえません。

 寝台車が州境を超える描写、列車外の自然の描写。一部は繰り返されたり、ストップモーションであったり。打ち上げどうするかとか、楽屋裏の会話があったりします。

 16時間を経て寝台列車はシカゴに到着します。ヒステリックな女性はボーイとコーヒーを飲みにいくことに決めます。1ヵ月後にボーイは仕事をやめると最初に宣言しているのですが、その理由が最後に暗示されます。

 

 誤意訳とあるし、原作を読んでいないので詳しくは判りませんが、何となく想像はつきます。戯曲「我が町」を連想します。描かれるのは人生模様。
 役者は上手だし、いやみも違和感も感じません。良くできています。しかし人生模様の描写で留まっていて良いのかな。私たちはもっと複雑な世界に対峙しているのだから。一歩前に進めたら、誤意訳の方向性はそちらに向うべきではないでしょうか。

  (2010年5月25日記録)

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