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2010年5月 9日 (日)

演劇:青年団第62回公演『革命日記』

   作・演出 平田オリザ

   会場   こまばアゴラ劇場
   公演   2010年5月2日(日)~16日(日)、詳細要確認
   鑑賞   2010年5月8日 15:00~16:40(休憩なし)

 

 街中の一戸建て住宅、その二階は革命集団の活動拠点。住人である夫婦は、アトピー療養のためもあって子どもを元革命メンバーの妹夫婦に預けていたりする。

 今夜は、翌日の空港侵入と大使館占拠の手はず確認のためにメンバーが集まることになっている。が、まだ全員揃わない。居る者の間で、空港侵入と大使館占拠を同時に実行するというリーダーの方針変更について口論し、一旦は手はず確認を始めるのだが。

 近所の奥さんが地域活動の役員になって欲しいと訪ねて来て、表札と旦那の名前が違うと言ったりする。メンバーの日常を引きずる様々なことが連続する。

 リーダー達が来ると、方針変更について一人が詰問する。恋人でもあるメンバーは明日の実行に加わることになっている。リーダーはそういう状況だから気持ちがゆれると言うが議論は紛糾する。リーダーはより大きな組織を背景にして個人の事情に矮小化する。いや矮小化でなく正論なのか。

 

 平田オリザは「この戯曲を書いた十数年前、個と集団の問題ばかりを考えていたが、直接のきっかけはオウム事件」。そして「革命を、宗教に、あるいは芸術に置き換えても良い」と言う。初演は2008年1月、評判が良かったので比較的早く今回の再演につながったとも言う。

 英題は「REVOLUTIONISTS」のようで、邦題より内容が鮮明になる思いがする。リーダーもメンバーも革命を信じている。いや、強引に自分を納得させているのかも知れない。それが証拠にどこか白けた感じもある。目指すものが革命でなくても、組織と個人の関係を抽出すると似たような状況はどこにでも出現する。そういう状況が良く伝わる。

 観客に背中を向けたり聞き取れない声、現代口語演劇のスタイルがリアリティを高める。二階にある劇場の下手側床に開口部があり、階下につながる階段として使っているのも面白い。役者もうまく、リーダーに激高する場面で襟足が紅潮していく様にも感心する。背中に表情がある。

 初演は観ていない。なぜ早い機会に再演が実現したか。評判が良かったということは事実だろう。
 2008年1月からの大きな変化は2009年9月の政権交代、革命に値するだろう。が、よたよたする現状はどう認識したら良いか。私も遠巻きにしているに過ぎないが。そういう状況にぶつけたとも思える。考えすぎか。

 4月からこまばアゴラ劇場の出し物を観ているが、それぞれに客層が異なる。比較すれば今回の観客の年齢は高い。
 当日は満員、さほど広い観客席ではないが。追加公演も決定。時宜を得た問題提起と考える。良い舞台、見逃す手はないように思います。

  (2010年5月9日記録)

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