音楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団創立40周年記念演奏会
曲目 :マーラー・交響曲第2番ハ短調「復活」
指揮 :金聖響
独唱 :澤畑恵美(Sop)
:竹本節子(Msop)
合唱 :神奈川フィル合唱団
合唱団音楽監督:近藤政伸
演奏 :神奈川フィルハーモニー管弦楽団
会場 :神奈川県民ホール・大ホール(1階20列41番)
公演 :2010年5月29日(土)15:00~16:40
ステージ一杯に楽団・合唱団。左側の第一ヴァイオリンが7列。右側の第二ヴァイオリンが6列、その後ろにオルガン、その奥にハープ2台など。定期では一番後方席から鳥瞰していますが、今日はなぜか1階中央に座っているので全体が良く見えません。
最初の音がでて、定期会場のみなとみらいホールとは音が随分異なると感じました。乾いた、広がっている、残響時間も短いでしょう。オペラ会場として使われ、ピットに神奈川フィルが入ることが多いのですが、大概は3階席で見聴きしますので音はあまり気にしませんでした。しかし、シンフォニーを聴くとそういうことにも気付くのかと。
焦燥を感じさせるヴァイオリンの短い旋律が低声部に引き継がれて、やがて管が入ってくる。ここらあたりで、いつにも増して良い演奏と感じました。40周年の節目のコンサートであるとの思いを共有していることもあるでしょう。
重く長い第1楽章を終え、軽やかな第2楽章が始まって少しほっとします。その後から第3楽章は私の気持ちが少々緩みました。マーラーは長い。
アルト(メゾソプラノ)の歌声とともに第4楽章が始まります。私は地の底から響くように感じました。竹本節子の重厚な歌唱が気持ちを一気に引き締めます。そして終章に向けて気持ちを高揚しました。短い楽章ですが結構重みがあります。
「復活」の標題は第5楽章の歌詞に基づくそうですが、一番最初に入場した混声合唱団がようやく歌いだします。ソプラノとともに「復活するのだ」と。合唱団は4月23日にマーラー・交響曲第3番を歌っていますので、それから1ヶ月ほどで仕上げたのでしょうけど、良くまとまっています。澤畑恵美は3月の「ボエーム」のミミを聴いていますが、ここでは華々しい役割ではありません。しかし、「復活するのだ」と盛り上げていく重要な役割、クリームが少し入った白いドレスとともに映えました。
良い演奏だったと思います。挨拶する金聖響も心なしか高揚しているように見えました。管楽器が順に祝福を受けました。ステージ裏で奏されホルンなどを含めて、美しく感じました。打楽器も祝福を受けました。わかりにくいけど劇的な役割を見事に。そしてソロをとったコンサートマスタ・石田泰尚、客からも一際大きなな拍手、人気があります。実力とともに。
40周年記念演奏会という意識は、演奏者だけでなく客にもあったと思います。結果、素晴らしい演奏会になりました。
できることなら、定期会場のみなとみらいホールで聴きたかった。それとソワレで。帰りに寄り道してカクテルでも飲んで余韻を楽しみたかった。本当のことを言えば中華街のショットバーで短時間過ごしたのですけど、薄明るかったから気分は今ひとつでした。
40周年記念誌が配布されました。初代常任指揮者が黒岩英臣は1985~1990年、そのころ定期ではありませんが神奈川フィルの演奏を片手ほどは聴いています。が、どちらかといえばバロックに興味が行っていたのでそこまで。どういう風の吹き回しか、2009年から定期会員になってオーケストラ回帰。今後、恐らく動けなくなるまで続くと思います。少なくとも50周年までは元気でいたいものです。
付け足しです。珍しく妻帯同。音楽は敬遠気味の妻、話題はベルリンフィル・ゾリステンまで遡ります。30年ぐらい前か。いきなりマーラーでしたけど感激していました。少しはコンサートに足を向けるようになるでしょうか。
(2010年5月31日記録)
| 固定リンク | 0
コメント