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2010年5月28日 (金)

美術:平明・静謐・孤高-長谷川潾二郎展(2010年5月27日)

  会場    平塚市美術館
  会期    2010年4月17日(土)~2010年6月13日(日)
  休館日   月曜日
  開館時間  9:30~17:00、入館は16:30まで
  入場料金  一般:700円
  鑑賞日   2010年5月27日

 

 長谷川潾二郎について知ることは多くありません。と言うより、洲之内徹の「猫」という短文と白黒図版を通して知り(*1)、その後、彼の所蔵した作品で構成された「気まぐれ美術館」と称する展示・展覧会(*2)で、数点を何回か観ただけです。

 1週間前「朱雀の洛中日記:由布院美術館」で「気まぐれ美術館」に含まれる佐藤渓の話題を拝読。少し「気まぐれ美術館」モードに陥っていました。
 26日、朝日新聞夕刊の美術展紹介で、埋もれていた作家に焦点をあてた「長谷川潾二郎展」が掲載されていました。

 場所は平塚、自宅から一時間もあれば到着するので、翌日出かけた訳です。自宅から一番近い横浜美術館の「ボンペイ展」は会期末が近づくにも関わらずまだ出かけていないと言うのに。こういう感じって判って頂けるでしょうか。

 

 小さな作品ばかり120数点、大半が油彩で薄い塗りですが、いずれも丁寧に描きこんであります。制作年は1918~1985年に渡りますが、その間にフランス留学が一年ほどあります。作品は何年も費やして完成しているようで、個々の作品の製作期間を調べると長谷川の律儀さを感じられそうです。機会あれば短文を読んで下さい。

 難解な作品は一点もありません。風景画は生活圏の範囲内から対象が選ばれているように思えます。静物画は物の配置が実に律儀ですけど、難解さに向うわけでなく、単純とも思える方向に向っているようです。

 それに音が感じられませんが、これ、悪い意味で言っていません。音が絵の中に吸い込まれてしまったように感じられます。浮かんだのが「閑さや 岩にしみ入 蝉の声 芭蕉」、ここに漂う気配はセミのうるさい泣き声ではなく静謐、似ていると思います。

 孤高は作品から感じられる面もありますが、要所に本人の書いた短文が展示されていて、そちらからより多くの手がかりが得られます。

 ひととおり見終わると「平明・静謐・孤高」と謳われた意味が判ります。うまいキャッチ・コピーのようですが、実は、見事に本質を凝縮していると感じました。

 特に印象に残った作品は、長谷川を知るきっかけにもなった「猫」ほか「気まぐれ美術館」に含まれる作品。風景画の「時計のある門(東京麻布天文台)」。静物画は全体的に好きになりました。

 図録(*2)より「猫」ほかを引用しておきます。ちなみに猫の名前は太郎、履歴書があって展示されています。
001 002 003

 

 平日午後、思ったより客は多かったですが、それでも混雑には程遠い展示室。ゆったり見ることができました。ただ、携帯電話を受けた客1名、相手からかかってきたとしても受けるべきではないでしょう。そのことが気に入りませんでした。

 参考 (1) 絵のなかの散歩:洲之内徹著:新潮社発行 P246
    (2) 気まぐれ美術館 -洲之内徹と日本の近代美術- 図録 P107

  (2010年5月28日記録)

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