« 随想:芸術的な拍手(2010年5月23日) | トップページ | 演劇:中野成樹+フランケンズ『寝台特急“君のいるところ”号』 »

2010年5月25日 (火)

映画:オーケストラ(2009年フランス作品)

   出演  アンドレイ・フィリポフ(指揮者)      アレクセイ・グシュコブ
       アンヌ=マリー・ジャケ(ヴァイオリニスト) メラニー・ロラン

   監督  ラデュ・ミヘイレアニュ
   原案  ヘクトール・カベッロ・レイエス、ティエリー・デ・グランディ
   脚本  ラデュ・ミヘイレアニュ、アラン=ミシェル・ブラン、マシュー・ロビンス
   音楽  アルマン・アマール

   公式HP 映画「オーケストラ」公式サイト

   場所  チネチッタ
   鑑賞  2010年5月24日

 万に一つも有り得ないような話。ところが事実は小説より奇なり、下敷きとなる話があるようです。調べてもたどり着くことは出来ませんでしたが。

 それはともかくとして、体制、人種差別、音楽ビジネスなどの香りを漂わせながら、娯楽作品として大いに楽しめる仕上がりです。クラッシック音楽を敬遠している方にも、たぶん、違和感無いと思います。これからご覧になる方もおられるからストーリーは省略します。

 

 オープニングで流れる音楽はモーツァルト・ピアノ協奏曲第21番、実に美しい曲です。一部しか演奏されませんので、もっと聴かせろと叫びたくなります。音楽会じゃないって。

 エンディングで流れる音楽はチャイコフスキ・ヴァイオリン協奏曲、これまた美しい曲です。エンディングと言うより、クライマックスの15分ほどに渡って響き渡ります。

 音楽的に言えば、この映画はモーツァルト・ピアノ協奏曲第21番からチャイコフスキ・ヴァイオリン協奏曲に向けてクレッシェンドしていきます。その間、様々な曲が挿入されています。興味あれば公式ホームページに楽曲リストが掲載されています。知った曲を探す楽しみ方もありそうです。私は半分くらいでした。

 最近はあちこち緩んでいますが涙腺も、娯楽作品とは言いながら涙が滲んできました。
 社会の隅に追いやられた中年男・女たちの成功譚だから。既に成功を収めているヴァイオリニスとの過去が見えてくるから。それを媒介する音楽が素晴らしいから。実際のコンサートでは有り得ない大音量で音楽が響き渡るから。30年の時間を感じられるから。国家に対して個人は弱い存在と気付かせてくれるから。

 指揮者役のアレクセイ・グシュコブ、ヴァイオリニスト役のメラニー・ロラン、他、過去を背負った存在感が滲み出ています。半分は役者選びで成功したと思います。

   (2010年5月25日記録)

| |

« 随想:芸術的な拍手(2010年5月23日) | トップページ | 演劇:中野成樹+フランケンズ『寝台特急“君のいるところ”号』 »

コメント

えらそうには言えませんが、ロシアの人々の描写に、「あるある」って胸の内で思いながらの鑑賞でした。
ラストのヴァイオリンコンチェルトは感動しました。
この映画では当然と言えば当然ですが、音楽が重要な役割を果たしていますよね。あれは泣けますよ。音楽自体がいいし、そこにその場にいる音楽家達の想いが絡んでくるように思えて。
いい映画でした。

投稿: strauss | 2010年5月27日 (木) 23時44分

 ようやく見てきました。Straussさんには懐かしい場面もあったのではないでしょうか。

 最近は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をじっくり聴くこともほとんどありませんが、やはり名曲です。コンサート会場ではありえない大音量で身体を揺さぶられ、物語が加わって気持ちが揺さぶられました。ご紹介頂いたので良い映画が観られました。

 近いうちに「のだめ」も行きます。何かと評判の「クロッシング」の予告編を見ましたが、これも行こうかと。泣けそうです。

投稿: F3 | 2010年5月28日 (金) 00時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画:オーケストラ(2009年フランス作品):

« 随想:芸術的な拍手(2010年5月23日) | トップページ | 演劇:中野成樹+フランケンズ『寝台特急“君のいるところ”号』 »