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2010年4月30日 (金)

路上観察:大宰府散策(2010年4月19日)

 第13回久留米つつじマーチを終えて、折角の機会だからもう一泊して大宰府散策をすることにしました。泊まりは福岡天神。

 西鉄福岡(天神)駅で大宰府散策きっぷを購入。散策きっぷには、大宰府までの往復切符と天満宮参道の指定店で梅が枝餅・抹茶セットを頂けるチケットが含まれます。他に太宰府天満宮宝物殿拝観などの割引券が付きます。チョピリお徳です。

 出発は9時。15時までに戻るとして6時間行程。およそ30分で西鉄大宰府駅に着きます。

 天満宮参道の裏道を進んで光明禅寺へ、鎌倉時代創建のようです。前庭は大きな石が配された石庭。裏庭は苔・玉砂利・木々の緑、本堂から見ると明暗の対比が限りなく美しい。陰翳も礼賛したい。
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 九州国立博物館の月曜休館は承知済み。外観はうねる波を思わせ、ガラスを大量に使用した現代建築。帰りの飛行機上からも容易に確認できました。天満宮に向うアプローチ(本来は逆だと思います、写真は以前撮影したもの)は虹を思わせる淡い照明が美しい。熱海MOA美術館のアプローチを思い出させます。
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 天満宮には韓国語が響き渡っていました。韓国からの団体客が何組もいて、ガイドが声高に説明していました。そこそこの人出ですが、でも日本人の方が少ないと思えました。
 本殿等は美しく、学問の神様・菅公への厚い信仰を伺えます。樹齢1000年超と言われる飛梅も見事な枝ぶり。花の時期に見てみたいものです。「東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」ですね。吉田玉男の 遣う管相丞、蟄居閉門の場面を思い出します。
 参道は賑やか、梅が枝餅・抹茶もおいしく頂きました。
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 観世音寺方面に向う観光客は数えらるほど。というより殆どいません。大宰府天満宮参詣で大宰府散策を終えてしまうかな。大きなお世話かも知れませんが、もったいない。

 観世音寺の完成は746年、七堂伽藍を備えた西日本随一の規模だったそうです。しかし火災や台風のために諸堂を失い、再建されるも現在は講堂と金堂が残るのみです。
 ただし、再建以降に造立された諸仏等。全て重文指定、16・7体の仏像と他の仏教美術品が現存、実に見事で往時の栄華を忍ばせます。仏教美術に興味あるならば、観世音寺を見逃せば大宰府に来た意味の大半を失うと思います。南都諸寺に比しても見劣りしません。
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 すぐ隣に戒壇院、元は観世音寺に含まれていたそうですが今は別寺。鑑真が帰化後、初めて授戒を行った場所だそうです。奈良東大寺、下野(栃木県)薬師寺(現存しない?)と合せて天下の三戒壇。格子越しに堂内を見れば、本尊は重文の盧舎那仏。
 山門前の戒壇石に「不許葷酒肉入境内」、「葷酒肉を帯びたものは境内に入るを許さず」でしょう。「禁葷酒入山門」は方々で見ましたが意味するところは同じでしょう。少し離れて見る戒壇院は、風雪に耐えている感じがします。朝から曇っていてましたが既に雨中、晴れていたらより美しく感じるでしょう。
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 暫らく歩けば都府楼址、大宰府政庁跡。ただの草原と思えばそこまで、「遠の朝廷」と言われた広大な条坊の中心と思えば想像は広がります。広場中央に石碑が3基、その中央に「都督府古址」と刻んであります。
 広場の傍らに小野老「あおによし奈良の都は咲く花の にほふがごとく今盛りなり」の石碑、望郷の念が色濃く漂っています。奈良から筑紫は世界の果てのように思えたことでしょう。調べると、万葉集における筑紫歌壇の占める位置は小さくないようです。
 都府楼址を知ったのは大昔に読んだ「松本清張・時間の習俗」の中。カメラ・フィルムのトリックを使ったアリバイ崩しに迫る内容でした。ディジタル・カメラでは成立しない、時は流れています。
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 出来れば水城まで足を延ばしたかったのですが、予定時間に近づいたこと、雨が降っていたこともあって、早めに西鉄都府楼駅に向いました。
 九州国立博物館を参観するならば、2時間ほど余計に時間が必要です。筑紫万葉のふるさと 太宰府 観光と史跡散策 が大いに参考になります。

 大宰府天満宮参道を出てしまうと食事する場所も見つかりませんでした。ハイシーズンなら状況は異なるかも知れませんが、要注意です。以前散策した時は、JR水城駅から太宰府天満宮に向いました。時間的には昼過ぎに大宰府天満宮付近に到着するので、食事の心配は不要になります。

  (2010年4月30日記録)

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