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2010年3月25日 (木)

映画:カティンの森(2007年作品)

   出演  アンナ          マヤ・オスタシェフスカ
       アンジェイ        アルトゥル・ジミイェフスキ
       アンジェイの母      マヤ・コモロフスカ
       アンジェイの父・ヤン教授 ヴワディスワフ・コヴァルスキ

   監督  アンジェイ・ワイダ
   原作  アンジェイ・ムラルチク
   音楽  クシシュトフ・ペンデレツキ

   公式HP 映画「カティンの森」公式サイト

   場所  シネマ ジャック&ベティ
   鑑賞  2010年3月24日

 

 1939年9月、ポーランド西側からナチスドイツが侵攻します。第二次世界大戦勃発。少し遅れて東側からスターリンのソ連が進攻します。ある橋の上で逆方向に逃げる人の群れが交錯します。引き裂かれるポーランドの悲劇。
 時は少し過ぎ、ソ連領カティンを占領したドイツは、虐殺されたポーランド人将校の遺体を発見。その数数千。

 物語は、ソ連の捕虜となったポーランド人将校たちの様子と、彼らの生還を待つ家族の姿を重層して描きます。戦後、ソ連管理下におかれた体制を受け入れられず、ささやかな抵抗を試みる青年の悲劇も追います。

 

 一部に記録映像を含み、カラー撮影でありながら大半が墨絵を思わせる無彩色の映像は、悲劇の告発を主旋律に、鎮魂を通奏低音として奏でているように思えます。

 遺体発見の場面で流れる音楽は、ショパン「エチュード・革命」「ソナタ2番から葬送行進曲」の断片(多分間違いない)です。小国の悲哀は繰り返される、その意図を感じます。そして哀悼と。
 最後に流れるアカペラ(本来の無伴奏教会音楽の意)、音楽担当のペンデレッキの「ポーランド・レクイエム」のようです。不慮の死を遂げた多くの人たちの安息を願い、再び安息を脅かさない願いのように響きます。

 

 アンジェイ・ワイダの作品を観るのは「大理石の男」「鉄の男」以来です。その間30年。彼の映画を観なかった言うよりは映画から遠ざかっていました。多くの名画を見逃したことでしょう。取り返せるものでもありませんが、これからはこまめに足を向けようと思いました。

 無音のエンドロール、読める訳でもありませんが最後まで観ました。そこに多くの良心を感じました。決して楽しい映画ではありませんが多くの人に見て頂きたい。あらゆる戦争を繰り返さないために。

   (2010年3月25日記)

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