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2010年2月28日 (日)

音楽:H.パーセル「セミオペラ・アーサー王」

 音楽監督・指揮   :エルヴェ・ニケ
 演出・構成・字幕翻訳:伊藤隆浩
 独唱        :アナ・マリア・ラビン(ソプラノ)
            シャンタル・サントン=ジェフリー(ソプラノ)
            アーウィン・エイロス(カウンター・テナー)
            マーク・キャラハン(バリトン)
            ジョアン・フェルナンデス(バス)
            シャンタル・サントン=ジェフリー(ソプラノ)
 管弦楽・合唱    :ル・コンセール・スピリチュアル
 バレー       :東京シティバレー団:上山千奈・小林洋壱、他

 会場        :神奈川県立音楽堂
 公演        :2010年2月27・28日 15:00~16:20
 鑑賞        :2010年2月27日 25列32番


 セミ・オペラ5幕と謳われていますが、セミ・オペラとは何。『歌手、語り手、ダンサーによって上演された。音楽は劇の中のラブ・シーン、あるいは超自然現象に関係したシーンのどちらかの後にすぐ続く瞬間などのために作られた。厳密にはイギリスだけのものでなく、スペインでも上演された(出典: ウィキペディア)』。

 参考のために、舞台上の配置・構成を整理しておきます。
 まず舞台中央に管弦楽。使用楽器はコピーかもしれませんが全て古楽器に見えました。リコーダー2本、チェンバロ2台、ビオラ・ダ・ガンバ1本、テオルボ2本、小型ティンパニーが目に付きました。ビオラ・ダ・ガンバの女性奏者は日本人(あれと思いました)、メンバーリストに SAITO Yuka と。日本人とは限りませんけど。音色は随分と柔らか、確認する術はありませんが、ピッチは392hzだそうです。

 管弦楽の左右(舞台の上手・下手際)におよそ高さ0.6m・幅奥3mの平台。この上に移動して独唱・合唱、場合によってはダンスが展開されます。
 管弦楽の後方中央に独唱者、その左右に別れて合唱。
 ソリストの頭上後方におよそ縦横3mスクリーン、これは奥行きがあって舞台奥から絵や文字を投影する他、踊りが影絵で写されます。あるいはその中で実際に踊っていたかも知れません。スクリーンの上部に日本語訳が投影されます。
 舞台と客席の間に、岩に刺さった剣の作り物が置かれています。

 スクリーンに投影される内容は様々です。戦闘機、原子爆弾、911などは違和感を感じました。♂♀の記号が出てきて重なったり、♂の矢印が途中で折れまがったり、交通標識の禁止標識の上にR18と書き加わっていたり、性的行為を暗喩するような場面もありました。
 これらをどのように介錯したら良いでしょうか。当惑しました。

 様々な出来事が同時進行しながら、音楽も進行します。
 合唱はその場で歌ったり、左右の平台に移動して歌ったり、全体で歌ったり、少数で歌ったり、時には振りがついたりと大活躍です。合唱は力強く、それだけでなく情感も伝わってきました。独唱は繊細さが不足する、あるいは荒く雑に感じる部分もありました。管弦楽の音色は好きですが、低声部がもう少し響いたほうが私は好きです。トランペットも印象が薄かったです。序曲は管弦楽が舞台に出る前、舞台後方で演奏されました。ダンスの役割も良く判りませんが、情景と認識しましたけど。ニケは力強く指揮するとともに、音楽監督としてサービス性豊かでした。

 学究的色彩を強く感じたコンサートでした。それなりに楽しみましたが、心底楽しめたかと言えば、そこまでの余裕はありませんでした。準備不足です。セミ・オペラとは、アーサー王伝説とは、など背景をもう少し調べてから出かけるべきだと思いました。今回が勉強と思えば、次からは少し楽しめるでしょう。

 小品は別にして、H.パーセルの生演奏を聴くのは初めてです。録音でも聴く機会はかなり少なかったですが、これからはより聴く機会を増やしましょう。しかし、セミ・オペラ形式の上演は音楽監督・演出方針によっても大きく変わるでしょうから、生の舞台にたびたび接するのが最善だとは思います。

 バロック・オペラはホール企画ですが、今後も続くのでしょうか。続けて欲しいものです。

  (2010年02月28日記録)

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受信: 2010年3月 2日 (火) 15時04分

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