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2010年1月29日 (金)

路上観察:第18回いぶすき菜の花ウォーク・道中編1

 知覧特攻平和会館を訪れたいと思っていました。第18回いぶすき菜の花ウォーク(2010年1月23・24日開催)に参加を決めた理由の半分は、そこにありました。前日の22日早朝に自宅を出発。鹿児島空港到着が11時少し前、レンタカー利用で知覧特攻平和会館到着が13時過ぎ。

 南九州市知覧町に入ると両側に石灯篭の連なる道路が目に付きます。先のアジア・太平洋戦争の沖縄決戦における特攻作戦のために散った若い命の慰霊のためであろうことは容易に推測できます。後で知りますが、その数1036基、散った若い命に等しいそうです。石灯籠はさらに増えているようです。

 知覧町には特攻作戦の出撃基地がありました。南九州市は、散った若い命の慰霊、恒久平和祈念のために知覧特攻平和会館を建立したそうです。会館内には、短かいながらこの世に存在したことの証として、遺影・遺書・遺品・記録あるいは復元された特攻用の飛行機などが展示されています。

 遺影のいくつかに付箋が貼り付けてありました。そこには住所や階級が記されていました。身内あるいは縁者が訪れて、やりどころの無い悲しみを表出したのでしょうか。住所が変わったから霊に迷わずに帰ってこいと知らせているのでしょうか。生前のことを知る人がいれば連絡して欲しいとの思いが込められているのでしょうか。小さな付箋から私の思いは広がりました。(写真は知覧特攻平和会館およびその周辺)
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 多くの遺書をとびとびに読みました。美しい字で、内容も整然としています。そこには身近に迫る死を否定する文脈はありませんでした。なぜ。

 「特攻隊員たちが帰らざる征途に臨んで念じたことは,再びこの国に平和と繁栄が甦ることであったろうと思います。(南九州市HPより)」。遺書を読むと、そう思えないこともありません。しかし私はそれを鵜呑みにはしませんでした。10才代後半から20才代半ばまでの才気あふれる青年達、秀でた才能の持ち主でなければパイロットにはなれない、が生きて平和を築こうとするなら筋は通りますが、死をもって平和に貢献するとは如何に。

 時代背景を考えれば、青年達が本気でそう考えたことを否定できません。そうであったとしても、本来ならば分別ある多くの大人達が押し留めるべきでしょう。それが理屈にあうというものですが、背中を押すようにして死出の旅に送り出してしまうとは。

 特攻作戦は誰が考え、誰が命令したのでしょうか。作戦ならば目標と成果は把握されているのでしょうか。知覧特攻平和会館に掲示はあったでしょうか、見落としているかも知れませんが。二度とこのような作戦を繰り返さないために、二度と戦争を繰り返さないためにも、明確にしておくべきです。それがあってこそ、若くして落命せざるを得なかった特攻隊員達や家族への慰霊であり、後世への貴重な警告になると思いました。

 とは言いながら、歴史的な負の遺産を後世に伝える南九州市の方向性を否定するものではありません。組織としての限界はあると思います。

 知覧町には独特の雰囲気が漂っていると感じました。正確に言えば、私には重苦しい雰囲気でした。遺影等を見て重苦しさはさらに増しました。そして、重苦しさはやがて怒りに変化しました。
 もっと時間をかけて見るべきでした。しかし丹念に見れば見るほどつらい。矛盾した思いに陥ります。それでも再度、訪れる機会を持ちたいと思いました。合掌。

 

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コメント

知覧特攻平和会館を訪れた時のことは今もはっきり覚えています。
親に宛てた遺書を読みながらハンカチを放せませんでした。
文字と文章の美しさ潔さにも驚きました。
むごい話です。
ツアーのメンバーは高齢の方が多く、普段はおしゃべりに花が咲き、うるさいほどでしたが、ここだけは皆一様に口を閉じていました。物音一つも立てられない、緊張感のようなものを感じた記憶も甦りました。

投稿: strauss | 2010年1月30日 (土) 22時00分

 本当にむごい話です。遺書に書かれた内容の奥の奥まで推察すべきです。真に書きたいことが書けなかったであろうと。
 戦争を美化する心持はありません。そのような動きがあれば毅然と対峙しなければならないと、改めて思いました。

投稿: F3 | 2010年1月31日 (日) 08時04分

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