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2009年12月 8日 (火)

音楽:ヘンデル「歌劇・リナルド(演奏会形式)」

  指揮・チェンバロ   :鈴木雅明

  リナルド       :ティム・ミード(カウンターテナー)
  アルミレーナ     :森 麻季(ソプラノ)
  アルミーダ      :レイチェル・ニコルズ(ソプラノ)
  アルガンテ      :萩原 潤(バリトン)
  ゴッフレード     :クリストファー・ラウリー(カウンターテナー)
  ユスタチオ      :ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)
  キリスト教徒の魔法使い:上杉清仁(カウンターテナー)
  シレーナ1&女    :松井亜希(ソプラノ)
  シレーナ2      :澤江衣里(ソプラノ)
  アラルド       :中嶋克彦(テノール)

  管弦楽        :バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)

  会場         :東京オペラシティコンサートホール(1階21列6番)
  公演         :2009年12月6日
  鑑賞         :2009年12月6日15時~19時05分(休憩20、25分)

  参考リンク      :クラシック・エアへようこそ(解説・あらすじ) 

 

 3階に空席はありましたけど1階後方に補助席も出ていました。満席と言って良いでしょう。曲の持つ魅力に惹かれるのか、それともBCJに惹かれるのか、恐らく両方。

 物語はエルサレムを包囲する十字軍の勇士リナルドに、総大将ゴッフレードが戦に勝利すれば娘アルミレーナを与える約束をする場面から始まります。
 三幕からなり、各々が80分弱、50分強、50分弱。休憩20分が2回に挨拶で4時間を越える大曲。最近、カウンターテナーを含むコンサートは少なくないですが、4人が同時に揃う機会はめずらしいでしょう。第二幕に歌われるアルミレーナのアリア「私を泣かせてください」がどのように響くかも興味あるところです。

 管弦楽で目立つのは中央に対向してチェンバロが2台、通奏低音と指揮者用。編成はトランペット×4、ティンパニー・パーカッション×1には風の音を発する装置(正式には?)と薄い金属板と小太鼓を含み、リコーダー×1、フルート・トラベルソ×2。第1バイオリン×4、第2バイオリン×3、ビオラ×2。通奏低音はチェロ×1、コントラバス×1、ファゴット×1、アーチリュート×1、チェンバロ・オルガン×1。

 

 第一幕。弾むようなフランス風序曲が始まれば既にバロックの世界、柔らかで豊かな音色に包まれます。続いてゴッフレード、アルミレーナ、リナルドのアリアが続いて物語りは佳境に。

 第三場。3本のトランペット・アリア「復習の女神アレクトーの蛇と」は第一幕の聴き所ですがトランペットが少し弱いか。相手を威嚇する場面、力強くアルガンテと対峙しないと勇ましいアリアが引き立たない。

 第二幕第四場。アルミレーナがアルガンテの横恋慕に我が身を嘆く「泣くがままにさせてください(私を泣かせてください)」。舞曲風のアリアから、美しくも芯の強いアルミレーナを感じました。参考としてスミ・ジョーとバルトリのCDを聴いていましたが、森麻季は森麻季、装飾も含めて。歌い終えて拍手。

 第十場。アルミーダのアリア「戦いを挑み、打ち勝つのだ」は、レイチェル・ニコルズに迫力
を感じました。同じソプラノでもアルミレーナよりアルミーダが適役だと思います、その通りになっていますが。曲中のチェンバロのカデンツアも魅力的でした。

 第三幕第六場。アルガンテとアルミーダが戦いに向けて励ましあい、愛を確かめあう二重唱「我らが義憤を満たすべく」。レイチェル・ニコルズはここでも力強くしっかりと、萩原潤も深みのあるバリトンを響かせました。歌い終えて拍手。

 第九場。リナルドのアリア「輝かしいラッパの音に」。トランペット4本とティンパニーが高らかに鳴り響き、リナルドの勇壮さを演出するところだがトランペットがやはり弱い。金管の高らかに輝く響きが場面を盛り上げるのだが。

 第十三場。全員で「忌むべき嫉妬を砕くのは」を合唱して大団円。

 

 ティム・ミードは、少し線の細いリナルドだと感じました。やや言葉がクリアでないようにも感じました。イタリア語が判るとか判らないとは別の問題として。カウンターテナー4人に各々の個性があって面白い、まあ当然ですが。そのせいもあってバリトンが新鮮に響きます。
 一番良かったのはアルミーダのレイチェル・ニコルズと思いました。とにかく凄い迫力でした。

 筋はシンプルですが、場面場面は面白く、要所要所に聴き所もあります。ティンパニ・パーカッションは大活躍で、鳥の声とセイレンは2階(舞台でなくオルガン脇)から響くなどの工夫がありました。全ての演奏を終えて大きな拍手が10分ほど続きました。所どころに自分なりの感想はありますが全体的にはとても素晴らしかった。ヘンデル没後250年の今年、掉尾を飾るにふさわしい演奏だと感じました。

 それにしても、「私を泣かせてください」「見よ勇者は帰る(歌劇:ユダス・マカベウス)」「オンブラ・マイ・フ(歌劇:セルセ)」「調子の良い鍛冶屋(ハープシコード組曲5番)」などヘンデルの曲は良く耳にします。これを機会にもっと親しむことにします。

   (2009年12月08日記)

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