美術:「内藤礼 すべて動物は、・・・」展
会場 神奈川県立近代美術館鎌倉
会期 2009年11月14日(土)~2010年1月24日(日)
休館日 月曜日(ただし1月11日は開館)
11月24日(火)、12月24 日(木)
12月28日(月~1月4日(月)、1月12日(火)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
入場料金 一般:700円
鑑賞日 2009年12月9日
公式HP http://www.moma.pref.kanagawa.jp/public/HallTop.do?hl=k
正式なタイトルは、「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」と大変に長いものです。
この言葉はジョルジュ・バタイユの「宗教の理論」から引用だと、立ち読みした図録に書いてありました。と知ったところで、私の場合は鑑賞の手がかりが増える訳でもありません。
内藤礼の作品を観たことは片手で数えるくらいはありますが、内藤礼を冠した展覧会は初めてです。
2階第1室、近美で最も大きなL字形の展示室の全てを使ったインスタレーション、《地上はどんなところだったのか》。あまり説明しても行かれた時の興を削いでしまうので、使用された素材だけ列記します。
照明、布(プリント布、貝紫染、コチニール染、アクリル絵具染)、テープ、リボン、ボタン、風船、ビーズ、糸、テグス、ガラス瓶、水、ガラス玉、鏡、鈴。
室内照明は大分落としてあります。通常、作品を展示するケース内も利用します。過去に内藤礼作品を観た方は何となく想像できるように思います。
自然の営みがこの一室に凝縮されたような感じです。はかなさとか無常とか、そのような思いが過ぎります、私の場合ですけど。観る方観る方の様々な思いが湧き起こると思います。何だこんなもの、というのも有りでしょう。
第2室は《地上はどんなところだったのか(母型)》、素材はプリント布。
何だこんなもの、というのが私の感じ方でした。底の浅さをさらけ出しているかも知れませんが、私は受け停められませんでした。傍らに《恩寵》、素材は紙で、これはお土産に一枚頂けます。
1階は中庭、および2階下の外気に開放されている空間に6点の作品が展示されています。いずれも簡単なものですが、冬景色に変わった源平池や空を背景にして、心が開放される気がします。
身近にある素材を使って深く考えることを要求する内藤礼、気になる作家です。
会期は1ヶ月以上残ります。展示の規模も大きくありません。子供連れでも刺激的な部分は一切ありません。初めてでもとっつきやすいと思います。鎌倉観光を兼ねて、現代美術鑑賞に出かけてみませんか。
(2009年12月9日記)
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コメント
既に観た娘から話を聞いて、私もその内と思っていながらまだ実行に移せません。
内藤さんの一貫した世界観は、壮大で神秘的なイメージがあるのに、温かみを感じます。
来月までですね。
カレンダーに記しておきます。
投稿: strauss | 2009年12月10日 (木) 00時22分
Straussさん、是非お出かけ下さい。各々の思いが湧くと思います。そして各々の思いを湧かせてしまうところに内藤礼の非凡さがあるのだと思います。
出来れば週中、客の少ない状態で作品と対峙するのが、より良い鑑賞につながりそうです。私ももう一度出かけるつもりです。
投稿: F3 | 2009年12月10日 (木) 11時11分