« 講演:越後妻有アートトリエンナーレの報告(後半) | トップページ | 路上観察:横浜・舞岡ふるさとの森 »

2009年10月20日 (火)

文楽:「三十三間堂棟由来・本朝二十四孝」

 演目   1.解説
      2.卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
       休憩
      3.吉田清之助改め五世豊松清十郎襲名披露口上 
      4.本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)

 会場   神奈川県立青少年センター
 公演   2009年10月19日 昼・夜の部
 鑑賞   2009年10月19日 昼の部(14:00~16:50)

 

2.卅三間堂棟由来より、平太郎住家より木遣音頭の段

 お柳、実は那智の滝近くにそびえる柳の大木の精、平太郎と結婚して息子・緑丸がいます。
 後白河法王の病気平癒祈願のため卅三間堂建立となり、その柳を棟木に使うことになります。切り倒されれば柳の精であるお柳は生きられません。斧が打ち込まれるたびに身もだえし、やがて姿を消します。
 切り倒された柳は木遣り音頭で引かれていきますが、ある場所で突然動かなくなります。一目母の姿を見せたいと平太郎は緑丸と共に後を追っていました。そこで緑丸に柳を引かせたいと懇願します。緑丸が引けばびくともしなかった柳は動きだします。緑丸は「かか様」と木にすがって泣きます。

4.本朝廿四孝より、十種香の段・奥庭狐火の段

 長尾(上杉)謙信館の謙信の娘・八重垣姫、許婚の武田勝頼の死を聞かされ回向の日々。ところが勝頼は花作りの蓑作と名乗り館に潜入。蓑作を見て勝頼と気づいた八重垣姫はすがりつきます。勝頼は、上杉が返さない武田家伝来の諏訪法性の兜を持ち出して欲しいと八重垣姫に頼みます。
 蓑作の正体に気付いた謙信は、蓑作に塩尻への使いを命じ、討手に後を追わせます。八重垣姫は諏訪湖を渡ってこの危機を蓑作に知らせたいのですが湖面は氷に覆われ船で渡れません。されば諏訪法性の兜にすがろうと、祭壇から持ち出します。八重垣姫が池の傍に立つと水面に映る白狐、これぞ諏訪明神の助力と確信、燃え立つ狐火に守られながら飛ぶように駈けて行きます。

 粗筋は以上のようですが、通し上演ではなく、下地も少なくすっきり理解できたわけではありません。通し上演だから理解できる保証もないのですが。早めに入場してプログラム購入、付焼刃で予習するだけでも理解は大いに進むのですが、今回は準備不足でした。
 しかし、早変わりあり、文楽ならではの奔放な演出ありで楽しめます。また親子の情、男女の情、自然崇拝などは時代が変わっても不変の筈、古典に教えられます。

 

 文楽地方公演を観るのは初めて。会場は歩いて15分ほどの距離、10分前に到着して当日券購入、C席1500円。国立文楽劇場よりは一回り大きい会場ですが後方のC席で充分。と言うより他の席は残っていませんでした。多少空席が確認できる程度、和服姿のご婦人が結構いました。

 太夫の座る床は仮設、舞台で気になる所はありません。やや情緒に欠けるのは仕方ないこと。

 中堅・若手主体の公演で人間国宝が多く出演する文楽劇場での公演のようなわけにはなりません。しかし文楽の楽しさは充分に伝わりますし、三十・四十では若手と言われる文楽の奥深さも反って感じられます。

 ただ襲名興行のためか、十種香の段では吉田蓑助(腰元濡衣)、桐竹勘十郎(蓑作、実は武田勝頼)が、奥庭狐火の段では八重垣姫(豊松清十郎)の左を桐竹勘十郎が遣って花を添えていました。文楽は実力の世界、ビッグネームは何かが違う、その何かはまだ指摘できないのですが。

 

 最近、文楽を観たくて観たくて。関西在住中は時々、大阪の国立文楽劇場に出かけたのですが、横浜に戻ってからはご無沙汰。7年ぐらい遠ざかっています。今回公演で少し思いが晴れたと言うか、反って募ったと言うか。国立文楽劇場11月公演は「心中天網島」、出かけたい~~。

| |

« 講演:越後妻有アートトリエンナーレの報告(後半) | トップページ | 路上観察:横浜・舞岡ふるさとの森 »

コメント

文楽とはずいぶん遠ざかっています。
行こうと思えばいつでも行けるのに、手が回りません。
「心中天網島」
いいですね。私も考えてみようかな。


投稿: strauss | 2009年10月21日 (水) 00時02分

 カバーする範囲が広いから、さらに広げるのは大変でしょうね。

 ところで歌舞伎座は「河庄」ですね。幕見で良いから行きたいですね。
 文楽も大阪まで足を向けたい所です。正倉院展と合せて。ただ11月末に奈良に行く予定なので一ヶ月に2回は、考えてしまいます。

投稿: F3 | 2009年10月22日 (木) 01時12分

 残念ながら、「心中天網島」は観にいけませんが、
正倉院展とお堂での阿修羅を目的に、今月末から二泊で奈良に出かけます。
 文楽で観たのは、「どんどろ」と「朝顔の松」くらいでしょうか。
全くといっていいほどご縁がありません。
(ちなみに、2代目の朝顔の松と朝顔堂が島田市の大井川河畔にあります。)

そうそう。高崎のsさんが11日の「椿姫」を観に来られるそうです。
もっと早い段階で、私の方から13日をお誘いすれば良かったのですが、お忙しいと思って躊躇っているうちにすれ違ってしまいました。私は両日とも鑑賞しますので、
日にちは違っても皆さんにお会い出来て嬉しいです。
 再三で恐縮ですが、F3さん「夜叉ケ池」にもお越しください!
11月7日or8日です。

投稿: salala | 2009年10月22日 (木) 22時44分

 遅くなりました。
 salalaさんからの「夜叉ケ池」を是非見ろとのご案内ですが、残念ながら日程的にちょっと無理です。

 11月は「ヘンリー6世」中心です。公演に関連して講座が6日間あるので、この際勉強しようと予定しています。翻訳者・小田島雄志他の講師ですから、是非聴いておこうと思っています。

 他に神フィル定期と月末に大和路まほろばツーデーマーチにエントリーしました。時期は違うのですが奈良の秋を楽しみます。

投稿: F3 | 2009年10月28日 (水) 00時09分

いえいえ、何度も失礼いたしました

ヘンリー6世三部作、長大で複雑な作品をどう見せてくれるのでしょうね。小田島さんの講座なんて何と贅沢なこと!
私も、事前に戯曲や資料を読んだり、講演を聴いたりすることが良くあります。もうそ時点から、舞台の楽しみが始まっていて、期待が膨らんで行くのを感じます。
演劇って本当にいろんな角度から楽しめますよね!
また感想を聞かせてくださいね。

来月末の奈良は、きっと紅葉もきれいでしょうね。私は明後日からなので、まだ少し早いかな。阿修羅も正倉院もすごい人らしいです。気が重いのですが、急ぐ旅ではないのでのんびり行って来ます。
F3さんも楽しんでくださいね~。


投稿: salala | 2009年10月28日 (水) 20時54分

 どう致しまして。是非とも見せたいsalalaさんの気持ちも判らないわけではありません。しかし、珍しいことに9日からの前売券を購入しているのです。当日券でも入場できるとは思いますが、良い席で見たいと思ったもので。上演時間も長いのでコンディションを整えておかないと。

 正倉院展へは10回ほど足を向けていますが、時間帯によってはすっと入場できたりするのですよね。私は余り並んだ記憶がありません。帰路、大阪南港の維新派公演に寄ったこともあります。尼崎在の時は、どちらも晩秋の楽しみでした。正倉院展へは2・3年前に行ったのが最後ですが、また出かけたいものです。

 既に出発しているでしょうか。楽しんで下さい。

投稿: F3 | 2009年10月30日 (金) 10時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 文楽:「三十三間堂棟由来・本朝二十四孝」:

« 講演:越後妻有アートトリエンナーレの報告(後半) | トップページ | 路上観察:横浜・舞岡ふるさとの森 »