« 講演:川上弘美×高橋源一郎(対談編) | トップページ | 講演:川上弘美×高橋源一郎(質疑編) »

2009年10月27日 (火)

演劇:維新派公演 「ろじ式」~とおくから、呼び声が、きこえる~

   作・演出  松本雄吉

   音楽    内橋和久
   美術    柴田隆弘
   照明    吉本有輝子
   音響    佐藤武紀
   映像    山田晋平
   舞台監督 大田和司

   出演    維新派

   会場    にしすがも創造舎
   公演    2009年10月23日(金)~11月3日(火)、27日休演
   鑑賞    2009年10月26日 19:00~20:45(休憩なし)
   公式HP   http://www.ishinha.com/index.php

 維新派の特徴は良く表現されたが、主張は稀薄であった。そこに伏線がありそうだが。
 本公演は、来年公演が予定される「<彼>と旅をする20世紀三部作」の第三部(タイトル未定)に向けてのエスキース。楽しみを来年まで延ばす繋ぎである。

 関西地方中心に公演する維新派の2003年(ノクターン-月下の歩行者-・新国立劇場)以来の東京公演。公演に接したことのない方も多いだろうから見逃す手は無い。野外公演という、場の力を最大限に取り込む維新派に元中学校の体育館はいささか窮屈であろうが。

 地下鉄・都営三田線西巣鴨駅を下車して地上に出るとすぐに、にしすがも創造舎。元校庭にバラック建ての飲食店の通りが出来ている。雨で下はぬかっていたが足場板が敷いてあった。奥に広場とライブステージ、男女ペアーが私には判らない音楽を演奏していた。腹ごしらえしながら聴く。残念ながら焚き火が無い、開演前・終演後に暖を取る。東京で焚き火は無理だろうな。

 会場は元体育館を長手方向に二分して舞台と客席に。客席は仮設の階段席、3・400人位は入れそうだ。場内は骨格標本が多数並んでいる。舞台には 6・70Cm角の中空の立方体が縦横に積まれている。各立方体の中心に紐で吊るされた骨格標本が。舞台周囲に固定した立方体の壁。中央部の移動可能な立方体は組み替え、配置換えしながら進行する。

 骨格標本は大半が本物で、しかも自分たちで制作したそうだ。いくつかは京大から借用、正面左右の類人猿状の骨格標本は作り物。骨格標本に意味は無いかも知れない。あるいは生きとし生けるものが積み重ねてきた歴史の提示かも知れない。
 立方体を組み替え、配置換えした隙間に路地が出現する。

 出現した路地で演技が展開する。いや演技と言うのは正確ではない。群舞あるいはパフォーマンス、そして群唱。類語、反語、意味のなさそうな言葉の羅列。大阪弁で韻を踏んだ群唱が耳に心地よい。切れ目なく続く10場面構成。舞台を観ていれば雰囲気が伝わるところもある。多少外していると思われるところもあったが、大した問題ではない。5・60人のメンバーが繰り広げる「じゃんじゃんオペラ」を存分に楽しむべきであろう(最近はじゃんじゃんオペラと言わないの?)。

 冒頭に戻るが、「じゃんじゃんオペラ」はコーラスばかりで、アリアが無かった。胸のすくようなアリアを来年に期待したい。
 蛇足だが本公演が悪いという訳でない。昨年の琵琶湖公演があまりにも素晴らしかったから、控えめに感じるというだけである。恐らく、初めて見る方は圧倒されるだろう。

 ところで「ろじ式」の「式」って何。路地が何かを生み出す方程「式」?。それが伝承されなくなっているような気がする。

 約40分のポスト・トーク(松本雄吉×タニノクロウ)があった。メモしたので気合が入れば整理して掲載します。

|

« 講演:川上弘美×高橋源一郎(対談編) | トップページ | 講演:川上弘美×高橋源一郎(質疑編) »

コメント

さすがに解説(というのも変だけれど)の言葉を沢山持ってらっしゃる。
よーくわかりました。
関西弁のイントネーションはほんとに好きでした。
一糸乱れぬがごとき動きも掛け合いも、その集中力に、こちらまで引きこまれました。
やはりにしすがもではコンパクトにならざるを得ないでしょうね。
やっぱり野外を観たいです。
ということで、来年の犬島に期待!
salalaさんと芸術祭を絡めて旅を計画します。
鬼が笑いますね。

投稿: strauss | 2009年10月27日 (火) 21時46分

 確固たるスタイルを持っている劇団、心地よい二時間弱でしたね。一つ一つの言葉は明確に判らない方が多いのですが、まるで呪文のように響いて引き込まれます。今回はストーリー性が稀薄でしたが、あっても私には良く判らないことが多いのですけど。シンパも多いようです。見るばかりでなく、舞台や屋台を作るボランティアも多いようです。

 本当に鬼に笑われそうですが、来年の公演を期待しながら日々を過ごせるとしたら、演劇の力は大きいですね。それを可能にする数少ない劇団だと思います。瀬戸内巡りの途中に盛り込みたいですね。

投稿: F3 | 2009年10月28日 (水) 00時31分

昨日の朝日新聞夕刊に、講評が掲載されていました。
「ろじ式」とはつげ義春「ねじ式」と街の路地に由来するそうで、「めっきん工」の場は少年工だったつげへのオマージュであろうと書かれていました。
そう言われると、味わいは通じるものがあるように思われます。

投稿: strauss | 2009年10月28日 (水) 22時36分

 私も昨日の朝日新聞夕刊を読みました。「ねじ式」は検索すればすぐに引っかかりますね。知識のなさを暴露してしまいました。めっき工は私も感じました。どちらかといえば研削工のような表現と感じましたが。
 骨格標本は、オークランドで見た博物館の光景をパクッタとポストトークで言っていました。
 とにかく豊富な知識を持ち合わせていないと、演劇などまとまらないのでしょうね。

投稿: F3 | 2009年10月28日 (水) 23時41分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 演劇:維新派公演 「ろじ式」~とおくから、呼び声が、きこえる~:

« 講演:川上弘美×高橋源一郎(対談編) | トップページ | 講演:川上弘美×高橋源一郎(質疑編) »