映画:1000年の山古志
プロデューサ 武重邦夫
監督 橋本信一
鑑賞 横浜黄金町 ジャック&ベティ
上映 ~2009年11月6日(金) 10:00~12:10
公式HP ジャック&ベティ
1000年の山古志
日本新聞博物館
今から5年前のこと、新潟県中越地方で発生した大地震は多くの地域・人びとに大被害を与えました。なかでも全村崩壊と言える山古志村の被害は、メディアを通して私の知るところとなりました。
山が崩れ、崩れた土砂は川を埋め、埋まった川は水位を高めて人家を水没させました。また田や鯉の養殖池は崩れて水が抜け、牛舎は倒壊して牛は生き埋めになりました。道路に書かれたSOS。翌日、全村避難命令が発令され、村民は自衛隊のヘリコプターで長岡市に避難しました。
「もう、山古志村には戻れないかも知れない」、ヘリコプターの窓から見える村の惨状を確認して人々はそう思ったそうです。
定かではありませんが、遠い祖先が山古志に住み着いたのは1000年ほど前だそうです。今に至る間に幾多の困難を乗り越えてきたことかと、旧村民たち(2005年4月1日、長岡市に編入合併)は思いました。
2006年春から徐々に避難解除され、旧村民たちは復旧のために村に通いながら昔の山古志に戻すことではなく、新しい山古志を創り出す取組みを始めました。
ただし、30%の旧村民は後ろ髪を引かれながらも他の地域で新しい生活を始めることになります。それでも故郷は山古志だと。
この映画は中越地震以降の山古志を記録したものです。被写体は選択されても記録された内容は事実、その事実に対して涙を禁じえません。一部は悲惨な状況に直面した旧村民たちへの同情かも知れません。が、残る大半は新しい山古志を創り出そうとする旧村民たちへの共感と賞賛だと思います。
この後、「心をひとつ ふるさと復興展 ~新潟県中越地震から5年~」に向いました。神奈川県庁の斜め向かいにある日本新聞博物館に於いて、2009年11月29日(日)まで開催中です。新潟日報紙面による中越地震の記録です。
新しいメディアが駘蕩するにしても、新聞が確固たるメディアであることに揺らぎはない。この企画展を観て再確認した。
多少の時間を割いて「1000年の山古志」「ふるさと復興展」に足を向けませんか。私を含めて多くの皆さんが明日直面することかも知れません。
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