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2009年9月

2009年9月29日 (火)

路上観察:自然観察指導員講習会参加報告

 財団法人日本自然保護協会の自然観察指導員講習会に参加しました。
 自然観察指導員は、自然観察会を開き、自然を自ら守り、自然を守る仲間をつくるボランティアリーダーという位置づけです。18歳以上の方ならどなたでも参加できます。

 私が参加した講習会は次の要領で開催されました。

  会場  千葉市高原千葉村(群馬県利根郡みなかみ町)
  日程  2009年9月26日(土)~28日(月)
  共催  赤谷プロジェクト地域協議会
  定員  県内50/県外10

 参加者は48人、男女比はおよそ4対1、年齢は若い人方もいましたが大雑把な感じで平均50歳代と思われます。今回は定員割れでしたが、7月の神奈川は申し込んだものの定員オーバーのため抽選に外れ、講習会中に雑談で9月の千葉も同様とのことでした。

 実施要領等はホームページを参照して頂くことにして、私の感想をまとめておきます。

 私の参加理由は、ボランティアリーダーを意識したわけでなく、自然に対する自己啓発の趣が強かったと言えます。よって、自然に関する基礎知識はほとんどありません。参加者には、関連する仕事や既にボランティアに携わっている方もおられて、自然に対する豊富な知識を持たれていると見受けられる方も少なくないようでした。

 講習は第1日目午後から開始され、直ちに野外実習、夜間は座学、第2日目は午前・午後野外実習、夜間は座学、第3日目は午前野外実習、昼食後に解散でした。野外実習は野山を歩き回るわけでなく、研修施設の周辺で行われます。都会人の視点で言えば、自然の中に研修施設があると言う感じです。
 実習・講座は三時間単位です。歩くことには慣れていますが、観察のために立ち止まっていることも多く、それはそれで結構疲れます。講習会前に夜更かししていたこともあって、昼間のつかれも重なって夜間の座学もなかなかつらいものがありました。
 もちろん野外実習は雨天決行です。小降りでしたが2日目・3日目は雨。

 講座内容は洗練されていて、長年の経験を持つ自然観察指導員が講師であって、良い意味でこなれています。講師は教職に従事されている方や自然に関係する分野の元公務員など、知識豊富で教え方も大変上手です。
 印象的であったのは赤谷プロジェクトの関係者です。地元の自然保護のために活動している方々ですが、朴訥、気負うことなく活動を継続している雰囲気がひしひし伝わってきました。ボランティアとはこうあるべきだろうと心に留めました。

 対象は異なりますが観察指導は会社務めでも行われます。方法論として大きく異なるものでもありません。しかし観察の対象が自然となると、まず自然とは何かということから始める必要があるので、今後の何らかの取組みを考えるきっかけとして大いに意義あるものとなりました。
 持続可能な自然を守るための自然保護に関しても、今までより遥かに広い視野で考える必要があると感じました。

 野外実習、講義風景です。
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 野外実習の際に各人の観察結果を木の実で集計したものです。Img_6765

 
 
 
 

 リスの食べた胡桃、上部に歯型、上手に実を食べています。Img_6750

 
 
 
 

 オプションとして赤谷プロジョクトの活動拠点を見学しました。 Img_6772

 
 
 
 

 関係ホームページです。
   財団法人日本自然保護協会       
          〃        ・自然観察指導員       
   赤谷プロジェクト 

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2009年9月26日 (土)

路上観察:期間限定・横浜FUNEプロジェクト開催中

 

 横浜FUNEプロジェクトに出かけて「FUNEカード」をゲットしませんか。
 22日に立ち寄ったところ大勢の子供さんで大層賑わっていました。期間・場所は次のとおりですが、詳細は公式ホームページを参照願います。

  期日 2009年9月22日~27日
  場所 ナミノウエ[横浜港大さん橋会場(大さん橋ホール)]

 横浜FUNEプロジェクトとは、日比野克彦監修による、段ボールを主たる素材として150艘のFUNE(船)を制作する市民参加型プロジェクト。

 制作された船は台車上に据え付けられ、台車に結ばれたロープで牽き回せます。山車みたいなものです。船には1番から150番までの番号が付番されています。
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 150艘のFUNEは春先からナミノウエに集結・公開されていました。いま何故賑やかというと、次の要領で「FUNEカード」をゲット出来るからでしょう。

  1.スタンプシートをもらう。
  2.一枚のスタンプシートに書いてある6つの数字の船を探す。
  3.見つけたらFUNEを引っぱる。
  4.引っぱったらFUNEについているスタンプを同じ番号のところに押す。
  5.6つ番号全部にスタンプが押せたら、「FUNEカード」を1セットGET!

 1セットは10枚、15回ゲットすれば全ての「FUNEカード」が揃う筈です。が、同じ番号の「FUNEカード」もあるでしょうから容易には揃わないようです。「FUNEカード」の交換会も行われていました。
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 無料です。週末は天気も良さそうですから足を向けませんか。子供さんは言うに及ばず、大人も結構熱中していました。「FUNEカード」が無くなれば早めに終えるかもしれません。春先にも同様の催しがあったのですが、後半に出かけたので終わっていました。

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2009年9月23日 (水)

白想:今は、もう秋(2)!(2009年9月23日)

 今朝、横浜臨港パーク北側から山下公園まで、海岸沿いに自転車でたどってみました。
 本日は豪華客船4隻が入港予定ですが、8時半にはバハマ船籍の大型客船「ザ・ワールド」が接岸中でした。大桟橋では歓迎の和太鼓が打ち鳴らされ、タクシーの長い行列ができていました。

 昨日は山手から逆方向に散歩しましたが、何時にも増して多くの人が各所に出ていました。今日は雲が多いですけど良い天気です。秋真っ只中の横浜へ出かけてみませんか。

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写真は左上から順に、臨港パーク、大桟橋からみなとみらい地区、大型客船「ザ・ワールド」、山下公園水の守護神、山下公園、神奈川県庁、開港記念会館、万国橋からランドマークタワー、コスモワールド、インターコンチネンタルホテル、日本丸、横浜美術館

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2009年9月22日 (火)

白想:クマにあったらどうするか(2009年9月22日)

 タイトルは、書名をそのまま借用。その本は、語り手がアイヌ民族最後の狩人・姉崎等、聞き書きは片山龍峯、(株)木楽舎・2002年4月発行。

 9月19日、乗鞍スカイライン「ひだ丹生川乗鞍バスターミナル」において、観光客9人がツキノワグマに重軽傷を負わされたとのニュースに接し、負傷された方々はとんだ災難に遭遇したものだと気の毒に思いました。と同時にその本が頭に浮かびました。

 

 姉崎は2001年、65年に及ぶ狩人人生に区切りをつけました。65年のうちの25年間はクマ撃ち、単独で40頭、集団猟を入れれば60頭を獲ったそうです。しかしクマは自分の師匠だと思っています。

 私は技能伝承という視点でこの本を手にしました。クマ撃ちなろうと思った訳ではありませんが、その視点の話題は実に興味深いものでした。そして、その背景となる姉崎の、あるいはアイヌ民族の抱く自然観がさらに興味深いものでした。時間を遡れば多くの人が身につけていた知識だったと想像します。今は、私を含む多くの人が真の自然から遠くなっています。

 

 「クマにあったらどうするか 姉崎さんのすすめる10カ条(P264)」は、経験に基づく智恵です。

  (まず予防のために)
  一 ペットボトルを歩きながら押してぺこぺこ鳴らす。
  二 または、木を細い棒で縦に叩いて音を立てる。
  (もしもクマに出会ったら)
  三 背中を見せて走って逃げない。
  四 大声を出す。
  五 じっと立っているだけでよい。その場合、身体を大きく揺り動か
    さない。
  六 腰を抜かしてもよいから動かない。
  七 にらめっこで根くらべ。
  八 子連れグマに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静か
    に後ずさり。(その前に母グマからのバーンと地面を叩く警戒音
    に気をつけていて、もしその音を聞いたら、その場をすみやかに
     立ち去る)
  九 ベルトをヘビのように揺らしたり、釣り竿をヒューヒュー音を立
    てるようにしたり、柴を振りまわす。
  十 柴を引きずって静かに離れる(尖った棒で突かない)。

 音を立てて自分の存在をクマに知らせ、遭遇することを予防するということ。クマ避けの鐘を身につけるなど、ここまでは私もハイキングに行く際などに注意しています。しかしクマに出会ったら冷静に対応できる自信はありません。

 次のようなことも語っています。
 「クマと共存していけるものだったらクマにもいい環境をあたえてやりたいものだと思います。・・・クマが師匠になったほどクマにはお世話になって山を教えてもらったし、そのお陰で生活もある程度維持できたからね。・・・
 おかげで危機を乗り越えてこられたんだなあと思うと、そうすると現在はクマが生存するうえで危機の時代だから、いくらかでも手助けできることがあったらしてやりたいなあと思う、その心は変わらないんですよ(P299)」

 

 味わい深い語りです。クマにとどまらず、自然との共生はこれからの大きな課題です。今週末、とある講習会に参加するため群馬県みなかみ町に出向きます。興味深い話題があれば追って報告するつもりです。

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2009年9月21日 (月)

白想:古い映画(2009年9月21日)

 最近、古い映画を月に1~2タイトル見ています。と言っても映画館に出向くわけでなく、DVD化されたものを自宅で見ています。著作権の切れたような古いタイトルは定価500円ほどですから、CDショップに出かけたときに2・3タイトルをまとめて購入し、気が向いたときに見ています。

 

 「ドクトル・ジバゴ」は初見ですが、哀愁を帯びた挿入曲・ラーラのテーマは聴いたことがあります。改まって聴いたことが無いのでわかりませんでしたが楽器はバラライカ。凍てついたロシアの大地で繰り広げられる、革命に翻弄されるドクトル・ジバゴとラーラの運命。私は物語より、美しい映像と挿入曲が印象に残りました。

 「第三の男」も初見ですが、アントン・カラスのチター演奏による挿入曲は大分以前から聞いていますが、一度聞いたら忘れられない名曲だと思います。オーソン・ウェルズが演ずるハリー、第二次大戦後の廃墟と化したウィーン、地下下水路の追跡劇。そしてハリーの愛人アンナが並木道を遠くから歩いてくる幕切れ。名作ゆえに耳から入った情報も少なくないです。しかし百聞は一見にしかず。映画館で見ればなおさらでしょう。

 「西部戦線異状なし」は以前TV放映された際に見ています。最後の場面、蝶々に触れようと塹壕から身を乗り出し、手を出したところを敵の狙撃兵に頭を打ち抜かれると記憶していました。しかし手だけの表現でした。撃たれたところを明示する必要もありません。洋の東西、時代をを問わず、戦争において一人の兵士の死は取るに足らない些細なことなのでしょうか。戦争の空しさを描いた不朽の名作だと思います。

 

 スクリーンに映写された映画の迫力はありませんが、手軽に、繰り返し見られるDVD化された映画も、私にとっては映画のうちです。映画館に出向くことはほとんどありませんが、映像表現を否定している訳ではありません。DVD化された映画からでさえも映像表現の素晴らしさを実感しています。素晴らしさゆえに大泣きしてしまいそうで遠ざけているだけです。もったいないと思うのですが。

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2009年9月19日 (土)

常識って!?:酒井法子被告の保釈時報道(2009年9月19日)

 酒井法子被告が保釈された際の報道は適切であったのでしょうか。

 9月17日16時過ぎ、覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪で起訴された酒井法子被告が保釈されました。たまたまその時間帯に視るともなくテレビを視ていたら、保釈時の様子をライブ中継している放送局がありました。他局も同様かと確認したら、計3局(東京VHF局)でライブ中継していました。

 私は酒井法子被告の芸能活動に興味を抱いたことはありません。今回犯した罪はしかるべく裁かれたのちに償われるべきだと思います。付け加えれば円滑に社会復帰して欲しいとも思います。

 

 気になったのはライブ中継までして報道する内容であったかということです。テレビ画面にはその時を待ち受ける多くの報道陣が映り、被告が謝罪の言葉を発した後に乗り込んだ自動車をヘリコプターで追跡して中継していました。

 この報道体制は、被告が芸能人であること、夫婦で起訴されたことを加味しても過剰だと思います。芸能人に対しては歌がうまくなった、踊りがうまくなったというような記事がふさわしいでしょうけど、あまり見かけません。それに比してゴシップねた、罪を犯した時の報道は常識はずれと思えるほど過剰です。

 報道の自由、表現の自由を否定しません。が、それはもっと大きな何かと対峙するときに言うべきです。罪を犯したとはいえ一芸能人に対して声高に主張できるとは思えません。

 この件に限らずそう思うことが多い昨今です。皆さんはどう思いますか。

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2009年9月13日 (日)

白想:今は、もう秋!(2009年9月13日)

 家でくすぶっていましたが、窓から見えた空がきれいでしたから、自転車で臨港パークまで出かけました。目の前に広がる横浜港、ベイブリッジ。少し汗ばみましたが、それでも、もうすっかり秋ですね。
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2009年9月12日 (土)

路上観察:第17回・奥の細道・鳥海ツーデーマーチ(道中編)

 2009年9月5・6日の両日、山形県飽海郡遊佐町を主会場に「第17回・奥の細道・鳥海ツーデーマーチ」が開催され、参加しました。関東圏を離れてのウォーキングイベント参加は初めてで、その往復も楽しみです。途中、短時間ですが酒田市内を巡りました。

 当日移動では間に合わないので4日に移動、往復ともに飛行機利用。早めに予約すれば料金は鉄道利用とほとんど変わりません。羽田空港を出発した飛行機は水平飛行に移って間もなく降下開始、わずか1時間で庄内空港に着陸。少しくたびれたリムジンバスでJR酒田駅まで移動。途中、最上川河口付近を通過、

 「五月雨をあつめて涼し(早し)最上川」
 「暑き日を海に入れたり最上川」

芭蕉句が浮かびます。当時は旧暦ですから今では初夏でしょうか。引用ばかりで駄句の一つも思い浮かばないところがなんとも情けない思い。

 3時間ほどの酒田市内巡り、来た道を戻るようにして「山居倉庫」へ、そこから徒歩でJR酒田駅に戻ることにしました。まずはタクシーに乗車、「やまいそうこ」と言ったら、間を多いて「ハイ~」。正しい呼称は「さんきょそうこ」だそうです。

 「山居倉庫」は築百年以上経た現用の農産物倉庫、当日もお米を運び込んでいました。傍らの大きなケヤキ並木は、倉庫内の温度上昇を防ぐためだそうで、二重屋根構造などとともに先人の智恵に感心するばかり。
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 歩いていると道端に「奥の細道・何々跡」の標柱が何本か見られました。時間があれば辿りたいところですが、今日は時間がありません。
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 武家屋敷と商家造りが一体となった「本間家旧本邸」。一見簡素ながら、しみじみと伝わってくる職人技。我が家は何代か遡れば「どおこや」、子供の頃、近所の駄菓子屋のおじいさんからそう呼ばれました。恐らく「銅工屋」、銅屋根などを葺く職人でしょう。よって良い仕事を見れば血が騒ぐって、そのようなことはないのですが。閑話休題。

 「本間さまには及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」というざれ歌は誰しも思うことかも知れません。後になりましたが、本間様は、天文学的数字にも思えるほどの土地を所有する大地主です。別に本間美術館があるのですが寄りませんでした。(室内写真不可ですので玄関先だけ)

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 「旧鐙屋(あぶみや)」 は廻船問屋。江戸時代を通じて繁栄したそうですが、日本海海運に大きな役割を果たしたことが知れます。玄関から裏まで突き抜ける三和土(たたき)が美しくもあり、忙しくすれ違う人たちを髣髴させます。昆布や米が日本海経由で上方に運ばれていったことが実感できます。この後、JR酒田駅に戻り、吹浦駅まで移動。

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 6日は20Kmコースを10Kmコース変更、折角だから「土門拳記念館」に寄ろうと思ったからです。JR酒田駅からタクシーで1500円ほど。「土門拳生誕100年特別企画・日本の自画像・写真が描く戦後 1945-1964」開催中。土門拳と時代を同じくする写真家11人の作品展示。見たことのある作品が何枚もありましたが、何回見ても写真が時代を切り取っていたと思わされます。戦争はいけない。

 記念館前の池の向こうに鳥海山が美しい姿を見られる筈ですが、当日は雲に隠れていて残念。記念館は谷口吉生の設計になるもの、静謐な思いが湧き上がる。この後、庄内空港行きのリムジンを待って横浜へ。

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2009年9月 7日 (月)

路上観察:第17回・奥の細道・鳥海ツーデーマーチ

 「神の棲む山・鳥海山。聴こう! 山のささやき 波の高鳴り 大地の鼓動。」のスローガンの下、山形県飽海郡遊佐(ゆざ)町を主会場に2009年9月5・6日の両日、「第17回奥の細道・鳥海ツーデーマーチ」が開催されました。暦の上で既に秋は立っていますが、私の今夏の最後のイベントとして参加しました。天気の心配もしていましたが真夏を思わせる暑さ、東北はもう少し涼しいかと思っていたのに。

 遊佐町は山形県酒田市からJR羽越本線(普通) ・秋田行き乗車で3駅目。ご存知ない方も多いと思いますが、まずは次の写真を見て下さい。どこかで見た風景だと思いませんか。
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 これではどうでしょうか。このポスターはあちらこちらで見かけました。月光川堤防上に椅子が一脚おかれたこの「おくりびと」のロケ地、第2日目のコースはこの脇を通過します。
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 かなり前のことですが、この辺りを背景にした森敦の「鳥海山」「われ逝くもののごとく」を読んで、一度は訪れたいと思っていました。
 さらに時を遡れば、芭蕉は「奥の細道」の中で「あつみ山や 吹浦かけて 夕すゞみ」と詠んでいます。この吹浦(ふくら)は第1日目のコース途中で通過します。

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 第1日目は25Kmコースにエントリー。スタート後、まずは黄金色の実りが遥かに続く穀倉地帯を北上。鳥海山は頂を雲に隠していますが、庄内平野から立ち上がる独立峰の姿は力強い。20年近く前に酒田市内から遠望したことがありますけど、裾野から見上げるのは初めて、その雄大さに感動しました。

 7Km過ぎから西走、吹浦を目指します。十六羅漢岩を過ぎて南下、芭蕉句碑を眺め、14Km過ぎの西浜キャンプ場で昼食。砂防林の中の定規で引いたような一本道をさらに南下。庄内砂丘の白に日本海の青が映えます。18Km過ぎの十里塚海水浴場から東奔してスタート地点に戻ります。

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 第2日目は予定変更で10Kmコースにエントリー。スタート後、すぐに月光川堤防を東に向います。3Km辺りで北に向かい、ロの字を描くようにしてスタート地点に戻ります。

 第1日目が北に向けて歩いたのに対し、第2日目は東に向けて歩きます。鳥海山はその姿は大きく変えました。(右の写真、月光川、橋の向こう側に椅子がおいてあります)

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 2日間、遊佐町挙げての歓迎を受けました。ブラスバンド演奏の中をスタート、各所に用意された給水ポイント、交通案内スタッフ、要所に先回りしての救護スタッフ、軒先に出てきたお年寄りからの挨拶。書ききれないほどの歓迎を受けました。また来年も元気で再訪したいとの思いを抱きました。

 第2日目は地域のバザーも併催、スタート時に牛の半身の炭焼きが目に焼きつきました。ゴール後に調達、完歩の祝杯のおいしいこと。全体的に食が進むので、これだけ歩いてなお体重を増やしての帰宅になりました。

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2009年9月 6日 (日)

路上観察:第17回奥の細道・鳥海ツーデーマーチ(第1日)

黄金の実りが波打つ穀倉地帯と白砂青松の海岸線を周遊する25Kmコース。完歩。
雲に隠れていた鳥海山が、ゴールする頃にはその全容を現しました。美しい。体は多少痛みますが、何とも幸せな気分。

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2009年9月 5日 (土)

路上観察:第17回奥の細道・鳥海ツーデーマーチ(前日)

 当日移動ではまにあわないので前日移動、酒田経由で吹浦到着。酒田で観光、「本間さまには及びもせぬがせめてなりたや殿様に」。殿様でなくとも健康的な生活であれば。

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2009年9月 2日 (水)

美術:利賀フェスティバル2009・道中編(塩田千春作品を巡って)

 塩田千春を意識したのは横浜トリエンナーレ2001、天井から吊り下げた巨大なドレスに泥水を流し続ける「5着のドレス」という作品。

 今夏、塩田千春は金沢21世紀美術館(8月31日まで)、入善発電所美術館(9月23日まで)、越後妻有トリエンナーレ(9月13日まで)において作品公開しています。

 これらの場所は、利賀フェスティバルへの道中からそれほど離れていません。一人の作品を異なる場所で短期間のうちに観られる機会など滅多にありません。
 越後妻有は既に出かけましたが、塩田千春作品にたどり着けませんでした。と言う訳で、三ケ所の塩田千春作品を日をおかずに一気に鑑賞する行程をつくりました。

 

 金沢21世紀美術館では企画展「愛についての100の物語」中の作品、「記憶の部屋」。この美術館で最も大きな部屋と思います。そこを占有して、旧東ベルリンで集められた1000枚以上の木製の窓を使用したインスタレーション。天井高は10m以上と思いますが、そこに届かんばかりの窓の塔。中央は円筒形、その中に椅子が置かれ、円形の外に円弧状の羽が左右に拡がります。

 作品から窓が旧東ベルリンで集められたとは判りません。が、長い年月を経たものとは判ります。雨風を遮る役割は果たしたでしょうが、社会の変化はどうだったのでしょうか。窓の中の生活、それがどのようなものであったかを想像しないわけにいきません。塔のように積み上げた構造は、やがて来る時代の変革を暗示するのでしょうか。

 

 発電所美術館の作品は「流れる水」。多くの簡素な医療用ベッド(?)を使用したインスタレーション。ベッドは滝のように天井から床に向けて流れ込みます。そこに水が降り注ぎます。

 詩歌に挨拶句がありますが、これは挨拶インスタレーションと言って良いのでしょう。長いこと人びとの生活を支えた産業現場に対する。
 挨拶句は丈高く穏やかに作るようですが、この作品に穏やかさは皆無です。滝のように流れ込むと言いましたが、天に向って逆流しているかも知れません。私は医療用ベッドだと思いますが、その飾り気のなさゆえにその先に繋がる何かを想像しないわけにいきません。このベッドにさえ身を横たえることが出来ないとしたら。

 

 越後妻有の作品は「家の記憶」。空家の中に付近の住民から集めた使い古しの家具・古着などを、黒い糸を編んで内包するインスタレーション。
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 空間と素材の関係が前2作品とは異なります。すなわち生活臭を色濃く残した空家や家具・古着などを無機質な黒い糸で内包するということ。内包するというよりは内包されたのでは無いかと思います、観るものを含めて。空家を利用した作品は少なくありませんが、徹底的に対峙する作品は少ないように思います。穏やかに寄り添い、かってそこに存在した生活を髣髴させる作品が多いように思いいます。この作品も例外ではありません。いずれ誰かが戻ってくる場所、そのような思いが湧き上がりました。

 

 芸術は未知の未来を描くことは出来ないでしょう。過去を凝縮し、凝縮してそこから未来を外挿させる、それは可能のように思います。多くを理解したわけではありませんが、それでも貴重な経験となりました。

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2009年9月 1日 (火)

白想:政治家の言葉

 追って政権交代が現実のものとなる。今回の選挙は何の要因で与野党逆転したのだろうか。積極的な政権選択がなされた結果だろうか。

 いずれマスコミ等で吟味されるだろうが、私は、有権者の政権与党に対する細かい負の思いの積み重ねが、小選挙区比例代表並立制で増幅されたと思う。先の郵政選挙と同様の現象が与野党逆に生じただけであろう。いずれも結果は劇的であったが。

 有権者の細かい思いの積み重ねとは何か。要約すれば、明るい未来の希求というよりは、まずは鬱屈した現実からの脱出。有権者は決して最善の選択ができたとは思わない。最善の選択ができない理由は、最善の選択枝が用意されないから。

 「偉大とは、人々に方向性を与えることだ」とは先哲の言葉。今回の選挙で明確な方向性は提示されただろうか。否。とすれば次善の選択しかなされない。負の印象のより少ない候補者・政党を選択するということ。今後も含めてそれが現実だろうか。

 選挙に限定したわけではないが、政治家の言葉の貧困化が進んだように思う。政治家が有権者の心底共感を得られる言葉を持たなければ存在は危うい。いや定数があるから一定数は常に存在するのだが。
 そればかりでなく、粗雑な、あるいは有権者を小ばかにしたような言動も少なくない。私は多少の漢字の読み間違いなど大した問題でないと思う。程度問題ではあるが。もっと根底の意味を注視すべきだ。

 今回の選挙演説で麻生総理は「責任力が大切だ。政治は博打じゃない。ちょっとやらしてみようかって、それ違うって。まったく事の優先順位が分かっていない人が多すぎると思う」と言った。この短い句の表層が判らないわけでないが、吟味すれば問題だ。

 「責任力」とは何か、まず言葉の定義がない。政権党ならばここ4年間の言動に照らして責任力を定義すべきであろう。私は言動一致していたとは思わない。よって空虚に響く。

 「政治は博打じゃない。ちょっとやらしてみようかって、それ違うって」とは何を意味するか。政権交代が博打であって、政権継続が博打で無いとは何を根拠とするか。それを理路整然と説明されれば納得しない訳でも無い。唐突にいわれたって。

 「まったく事の優先順位が分かっていない人が多すぎると思う」とは本当にそうであろうか。郵政選挙の時は優先順位がわかっていて、今回の選挙で急に判らない人が増大したのだろうか。そんな訳は無い。

 麻生首相の敗戦の弁、「そういったもの(マニュフェスト)に関して、きっちり対応していただける民主党の勝利というものを祝福申し上げると同時に期待も申し上げております」はさわやか。多少の皮肉を含まないわけはないだろうが、それでも素直に受け止めた。

 政治家の空疎な言葉の羅列は有権者の胸を打たない。その言葉を元にした行動は国民を幸せにはしない。活き活きとした言葉を駆使し、それを実行すること、有限実行こそが政治家に切望される。そんな格好良いものではないかな。
 有権者は大きな学習をした。これからが大切だ。

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