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2009年9月22日 (火)

白想:クマにあったらどうするか(2009年9月22日)

 タイトルは、書名をそのまま借用。その本は、語り手がアイヌ民族最後の狩人・姉崎等、聞き書きは片山龍峯、(株)木楽舎・2002年4月発行。

 9月19日、乗鞍スカイライン「ひだ丹生川乗鞍バスターミナル」において、観光客9人がツキノワグマに重軽傷を負わされたとのニュースに接し、負傷された方々はとんだ災難に遭遇したものだと気の毒に思いました。と同時にその本が頭に浮かびました。

 

 姉崎は2001年、65年に及ぶ狩人人生に区切りをつけました。65年のうちの25年間はクマ撃ち、単独で40頭、集団猟を入れれば60頭を獲ったそうです。しかしクマは自分の師匠だと思っています。

 私は技能伝承という視点でこの本を手にしました。クマ撃ちなろうと思った訳ではありませんが、その視点の話題は実に興味深いものでした。そして、その背景となる姉崎の、あるいはアイヌ民族の抱く自然観がさらに興味深いものでした。時間を遡れば多くの人が身につけていた知識だったと想像します。今は、私を含む多くの人が真の自然から遠くなっています。

 

 「クマにあったらどうするか 姉崎さんのすすめる10カ条(P264)」は、経験に基づく智恵です。

  (まず予防のために)
  一 ペットボトルを歩きながら押してぺこぺこ鳴らす。
  二 または、木を細い棒で縦に叩いて音を立てる。
  (もしもクマに出会ったら)
  三 背中を見せて走って逃げない。
  四 大声を出す。
  五 じっと立っているだけでよい。その場合、身体を大きく揺り動か
    さない。
  六 腰を抜かしてもよいから動かない。
  七 にらめっこで根くらべ。
  八 子連れグマに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静か
    に後ずさり。(その前に母グマからのバーンと地面を叩く警戒音
    に気をつけていて、もしその音を聞いたら、その場をすみやかに
     立ち去る)
  九 ベルトをヘビのように揺らしたり、釣り竿をヒューヒュー音を立
    てるようにしたり、柴を振りまわす。
  十 柴を引きずって静かに離れる(尖った棒で突かない)。

 音を立てて自分の存在をクマに知らせ、遭遇することを予防するということ。クマ避けの鐘を身につけるなど、ここまでは私もハイキングに行く際などに注意しています。しかしクマに出会ったら冷静に対応できる自信はありません。

 次のようなことも語っています。
 「クマと共存していけるものだったらクマにもいい環境をあたえてやりたいものだと思います。・・・クマが師匠になったほどクマにはお世話になって山を教えてもらったし、そのお陰で生活もある程度維持できたからね。・・・
 おかげで危機を乗り越えてこられたんだなあと思うと、そうすると現在はクマが生存するうえで危機の時代だから、いくらかでも手助けできることがあったらしてやりたいなあと思う、その心は変わらないんですよ(P299)」

 

 味わい深い語りです。クマにとどまらず、自然との共生はこれからの大きな課題です。今週末、とある講習会に参加するため群馬県みなかみ町に出向きます。興味深い話題があれば追って報告するつもりです。

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