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2009年8月28日 (金)

演劇:利賀フェスティバル2009・劇評編「廃車長屋のカチカチ山」

 演出   鈴木忠志

 出演   日本の狸     新堀清純
      ロシアの兎    ナナ・タチシビーリ
      キャデラックの女 内藤千恵子
      日本の老人    蔦森皓祐
      老人の女友達   久保庭尚子
      医者       竹森陽一  他

 会場   野外劇場
 公演   2009年8月22・29日
 鑑賞   2009年8月22日 20:20~21:50

 「カチカチ山:原作・太宰治:演出・鈴木忠志」の物語を、「廃車長屋の異人さん:原作・マクシム・ゴーリキ:演出・鈴木忠志」の構成で。プラス打ち上げ花火。プラス各国の俳優。二・三週目の最後を飾る祝祭性の濃い演目です。

 「カチカチ山」「廃車長屋の異人さん」は、2007年2006年に利賀で上演されています。

 外国人数人の役者を含みますが、日本語上演。表現上で多少気になるところもありますが、短い期間で仕上げたとのこと、立派なものです。特にロシアの兎(ナナ・タチシビーリ)は主役で多くの台詞がありましたけど、少なくとも言いよどむことはありません。後で判りますが、日本語は全然理解しないようで、音として台詞を発声しているようです。

 祝祭性の濃い演目ですからあまり細かいことをいうのも無粋ですが、気になる点をまとめておきます。

 私は最前列のほぼ中央に座りました。ここからは、舞台に数多くの廃車が並びますので、背後に広がる池、池の上に設けられている左右の花道はまったく見えません。利賀の美しい野外劇場の魅力が損なわれます。階段席ですから、中段より後方に座るのが全体を見渡せてベストだと思います。

 祝祭性の濃い演目にしては少し難解です。説明的な独白も多く、言葉の妙も少なく感じました。音楽も、花火も同調性にやや欠けたと思います。この演目を目当てに来場する方も少なくないようですから、もう少し砕けた内容で良いと感じました。

 役者が引き上げて灯の落ちた舞台の後方で、ナイアガラが火の粉を散らし、別れを告げるように打ち上げ花火が上がります。
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 この後、鏡割。私の隣の方が立ち上がり舞台に進みました。南砺市長だったのです。いよいよ舞台上の酒宴が始まります。
 かくして私の今年の利賀フェスティバルも終わりを告げます。後何回来られることか、気力も体力も衰えてきました。

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コメント

 SCOTの新作ですね。
カチカチ山と廃車長屋のミックスなんて私には想像もつきませんが、
最後の花火と鏡割の酒宴の様子は、目に浮かびますね。
写真からは観客のどよめきや歓声が聞こえてくるようです。
 同時に、夏が終わっちゃったなぁという感慨も、翌朝民宿を後にするときのあの何とも言えない名残り惜しさも、胸に込み上げて来ます。利賀という響きの中には、こうした感傷も含まれていて、聞くたび見るたびに切なくなります。そして、心があの場所へ戻って行くのを感じます。たった四回行っただけの私がそう感じるのですから、20数回も通っていらっしゃるF3さんは、もっともっと思いは深いことでしょうね。

 今年も利賀は上機嫌だったようですね!

投稿: salala | 2009年8月29日 (土) 07時40分

 ご祝儀物としては少し暗い感じが漂います。廃車長屋という設定が全体の進行を規定してしまうように思います。終わりよければ全て良しでもないですが、多少すっきりしない終わり方だったと思います。
 そういう意味からして「世界の果てからこんにちは」は名作だったと思います。「廃車長屋」も少しづつ手が入ってより良くなると思います。席は中段より上がよろしいかと思います。
 酒宴では「ロシアの兎」が人気でしたが、「日本語わかりません」ですって。

投稿: F3 | 2009年8月31日 (月) 00時25分

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