路上観察:童謡「赤い靴」
一月ほど前、静岡県の日本平に立ち寄りました。「赤い靴」に日本平は関係ないだろと思われる方、それまでは私だって関係ないと思っていました。と言うより「赤い靴」は横浜山下公園の「赤い靴」像しか知りませんでした。
日本平山頂からの景色は多少かすんでいましたが見事。富士山から視線を右下に移してくると清水市街、その向こうに三保の松原、まさにペンキ絵。決して悪口ととらないで下さい。そこまで日常化した日本を代表する風景だと思ったのです。
山頂から少し降りたところに「赤い靴」像がありました。像の脇に「赤い靴をはいていた女の子を尋ねて」と題したプレートがあります。それによれば、女の子のモデルは静岡県清水市有渡郡不二見村出身の岩崎かよの娘・きみ。薄幸であった親子を不二見村を見下ろす日本平山頂にて相合わせようと考えた、とありました。
横浜山下公園に「赤い靴」像があります。こちらの像は女の子だけ、港に向うようにして置かれています。作詞:野口雨情、作曲」本居長世の童謡「赤い靴」があって、それを具象化した像であると、勝手に考えていました。
「一を聴いて、十を知らない」、最近つくづくそう思います。そうかと言って何もかも知り尽くせるわけで無し、大きくは好転しないまま時間は過ぎていくかと。「赤い靴」像からそんなことを思いました。
蛇足ですが、横浜山下公園には童謡「かもめの水兵さん」の歌碑もあります。昔は、港に物語を生み出す雰囲気が漂っていたのでしょうね。
折りしも横浜開港150周年、長かったのか、つかの間のことだったのか。童謡が生まれる雰囲気は無くなったと私は思います。もし横浜を訪れる機会があれば、横浜山下公園の「赤い靴」像、「かもめの水兵さん」歌碑にも足を向けてください。
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