美術:東京都現代美術館「+/-」
会期 2009年4月24日(木)-6月21日(日)
会場 東京都現代美術館
開館時間 10時00分-18時00分(入館は閉館の30分前まで)
入場料金 一般 1000円
鑑賞日 2009年6月7日
公式HP http://www.ryojiikeda.mot-art-museum.jp/
正式な展覧会名は「+/- [the infinite between 0 and 1] Ryoji Ikeda」で良いと思います。
「Ryouji Ikeda」は池田亮司、電子音楽分野の作曲家/アーティスト。パフォーマンス集団「Dumb Type」のメンバー(過去はそうであった、現在は未確認)。
作品の主体は大型のオーディオ・ビジュアル・インスタレーション。数学的に処理された無彩色の数字の羅列と電子音。生理的に受け入れるか排斥するか。私は受け入れました。
ここに展示された数字によるビジュアルは、非常に大型の画面のこともあって、床に座ったり壁に寄りかかったりしての鑑賞になります。何かその空間に包み込まれるような感じがしてゆったりした心持になります。多くのオーディオ・ビジュアル・インスタレーションでは、何か鼻につく、違和感を感じることが多いのです。が、それは感じませんでした。
それならば判るか判らないか。私は判りませんでした。判らないから作品が悪いと言うつもりはありません。作品を受け入れつつも何か判らないと言うだけです。どうしたらより良い鑑賞ができるか、今後の課題です。
他に、超指向性スピーカ5台からなる音場。野球のホームベースの各々の角にスピーカーが配置され、4台が相対して、もう一台がそれに直行して配置されています。各々にスピーカら発する正弦波音が干渉し相殺したりして、移動するにつれ聴こえ方が変化します。物理的に理解できますが、その先は。
1997年9月に神戸新開地にて、池田亮司がメンバーの一員である「Dumb Type」のコンサート「OR」を聴いた感想を某所掲示板に次のように書きました(一部)。
「体育館の様な空間に聴衆は200人強程度と思えました。空間の一方にスクリーンが、その両脇にミキサーやシンセサイザー等のディジタル音響機器が用意されています。スクリーンに心拍を思わせる波形を描くオシロスコープの画面が写し出され、心拍を思わせる音響が流れて演奏が始まりました。何拍目かにハム音(音響機器の調整中などに発生するブーンと言う音)が混ざるようになって、音楽が展開していきます。自分の身体が共鳴するような大音響も混ざって、これが今風の音楽なのかと思ってしまいました。10分程して、これは演奏会なのだと初めて気がつきました。この時まではまだパフォーマンスが展開されると思っていたのです。
さて、この後の音楽の展開をうまく説明できません。スクリーンにヨーロッパを感じさせる山を正面に見ながら車が疾走する部分なども写しだされるのですが、演奏をどう説明したら良いか判りません。全体的にメロディラインが希薄で、と言ってもあまり否定的な意味で希薄といっているのではないのですが、もっぱらリズムの変化が楽しめました。私にはパーカッションの演奏の様にも思えました。」
若い人に混じってオールスタンディングのコンサート。「Dumb Type」はパフォーマンス集団と認識していたので、途中まで誤解に気付いていません。めったに接することも無いのですが、10年を経過して進歩していないと感じました。
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