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2009年6月28日 (日)

音楽:神奈川フィル第254回定期演奏会

  指揮  金聖響
  演奏  神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  曲目  武智由香 :オーケストラのための
            「Eaux Lumières Temps」(世界初演)
      ハイドン :交響曲第100「軍隊」
      ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より
            前奏曲と愛の死
      ドビッシー:「海」
      ドビッシー:「小組曲」より小舟にて(アンコール)

  会場  横浜みなとみらいホール(2階5列12番)
  公演  2009年6月27日14:00~16:05(途中休憩15分)

 金聖響常任指揮者就任して2回目の定期公演。「横浜開港150周年」、今月は「横浜フランス月間」でもあります。ホールの目の前のパシフィコ横浜では「海のエジプト展」が本日開幕。横浜は賑やかです。

 プログラムは祝祭の雰囲気を漂わせる名曲コンサートの様相。最初と最後は「海」がテーマ。ワグナーは150年前の1859年に完成、横浜開港はそういう時代。ハイドンはペリー提督による日米和親条約、武州久良岐郡横浜村にて1854年を想起します。ちょっと無茶ですか。

 武智由香の新作は横浜開港150周年記念委嘱作品。中央にピアノ、その脇にチェレスタ、後方にマリンバ、ヴィブラフォン、ハープなどを加えた大編成。ヴィブラフォンを弓で擦っての発音を除けば、特異な奏法はなかったと思います。三部からなり15分強の演奏時間、全体を透明感を漂わす音色が支配し、静寂からクレッシェンドしてまた静寂に戻る、そこに清涼さも感じました。
 祝祭の華やかな雰囲気は希薄でしたが、50年後・100年後に向けて歩み続ける横浜の、海との共生による街づくりを暗示するように感じました。「むかし思えばとま屋の煙 ちらりほらりと立てりしところ(開港50周年記念・横浜市歌より)」。150年前に横浜に戻すことはできませんが、週単位ぐらいで変化を見ていると、この勢いで突き進むわけにも行かないだろうと思います。そういうことを感じさせる、新しい祝祭の音楽になったと思います。大編成ゆえ再演の機会は限られそうですが、何回か聴いてみたいものです。

 ハイドン、二管編成でメンバー半減のようにも感じます。ピリオッド奏法から繰り出される親しみやすい旋律は心地よく響きます。ほんとうに楽しい。

 ワーグナー、ドビッシーは、私にはかなり遠くの存在です。
 若い時にはワーグナーの重厚な音楽は聴くこともないと思っていましたが、最近は撤回しています。元気を貰える気がします。「前奏曲と愛の死」はそのような曲ではありませんが。
 ドビッシーの代表作とも言われる「海」、20世紀に入ってから作曲。現代曲、近代曲でしょうか。きらきらしている印象を抱きますが、受け止めるのはなかなか難しい。

 プログラムを通して時間の流れを考えていました。一人が100年を生きるのは難しいにしても、次世代に引継ぎ引継ぎ持続していく人の営みを。

 定期会員になって二回目の演奏会。神フィルは多彩なプログラムをしっかり演奏していると感じました。前回の「時計」に続いて「軍隊」、ハイドンは好きです。来年3月の定期で「ロンドン」が予定されますが期待しています。ワグナーやドビッシーはもっとCDを聴いておかなければ。
 演奏が終わると、金聖響は特に管・パーカッションを立たせて讃えていました。最後にコンマスも。良い関係が出来ていくと良いですね。

 

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