美術:東京国立博物館平成館「阿修羅展」
会期 2009年3月31日(火)~6月7日(日)
開館時間 午前9時30分~午後6時
(ただし金曜・土曜・日曜・祝・休日は午後8時まで開館。
入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日 ただし5月4日(月・祝)は開館、5月7日(木)休館
入場料金 一般当日 1500円
鑑賞日 2009年4月10日
公式HP http://www.asahi.com/ashura/index.html
三面六臂の阿修羅像。憂いを含んだお顔、ふれれば折れそうな細い腕、細身の体、左右対象の初々しいお姿。左右のお顔を正視したのは初めてです。「阿修羅展」では360度の位置から阿修羅像を鑑賞できます。
興福寺国宝館にて、ガラス越しに阿修羅像とは何度か対面しています。展示方法のためでしょうか、あるいは私の気持ちが向かなかったためでしょうか、左右のお顔の印象は薄いものでした。
今回、三面のお顔の各々を正視、左右のお顔も正面のお顔に勝るとも劣らない端正な顔立ちであると感じました。特に下唇を噛み締めて彼方を凝視する、向かって左のお顔に強く惹かれました。
第一室は「興福寺創建と中金堂鎮壇具」ですがほとんど素通りしました。
第二室は「国宝 阿修羅とその世界」、阿修羅像を除く八分衆像と十大弟子像が通路左右に分かれて対面する形で展示されています。
部屋に入ると重厚な雰囲気が伝わってきます。各像の間は立ち入り可能な空間が設けられていて仏像の背後から、あるいは仏像と一列に並んだかのようにして鑑賞できます。
十大弟子のうち富楼那、これも印象深い像ですが、向って左の肩の裏側に鮮やかな朱の彩色が残っていました。天平の彩色なのでしょうね。八分衆のうち阿修羅像は離れて展示されています。
第三室は「中金堂再建と仏像」、四天王像や運慶作釈迦如来頭部など、大型の像が展示されています。左右交互に並ぶ展示は、上方から睨まれているようで威圧感を感じます。第二室とは異なる雰囲気があります。
「阿修羅展」の展示はなるべく多くの位置から鑑賞できるように工夫されています。陳列ケースに収めない展示や観易い照明は、仏像がより身近に感じられます。鑑賞という観点から言えば理想的な展示だと思います。最近は展示を担当する方がおられるようですがありがたことです。
金曜日の16時少し前、入場まで約20分待ちでした。しかし16時半少し前に会場を出るときは行列はありませんでした。他の日は混雑具合はどうなのでしょうか。もう一・二度出かけたいと思います。
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