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2009年4月 4日 (土)

読書:最近の読書から(2009年3月前半)

1.『奇跡のリンゴ』
    石川拓治著、幻冬舎、1300円(税別)

2.『シニアよ、ITをもって地域にもどろう』
    山田肇編著、NTT出版、1800円(税別)

3.『バスジャック』
    三崎亜記著、集英社文庫、476円(税別)

 

1.『奇跡のリンゴ』

 八年におよぶ試行錯誤の末に、無農薬りんごを実らせたりんご農家の成功譚である。ただ成功譚と言うには、その間の生活は悲惨である。りんご農家は実ったりんごを売って収入を得るが、試行錯誤の間は収入が限られる。赤貧洗うが如し、絶望の果てに自死を思って山に入る。そこでたわわに実るりんごを幻視する。自然もりんごをたわわに実らせるではないかと。それが転機になった。
 本人の信念もさることながら、家族の本人を信じる気持ちに頭が下がる。もろもろの思いは伝わるが、著者を経由することでソフトな表現になっているだろう。徹頭徹尾、本人に語らせて記録する、そういうまとめ方ならばどう感じただろうか。本書の狙いではないだろうが、もう一歩踏み込んだ事実を知りたい。そういう思いも湧いた。

 

2.『シニアよ、ITをもって地域にもどろう』

 シニアの一員としてささやかではあるが社会活動に取組みたいと思う。しかし気持ちとは裏腹にどうアプローチして良いか判らない。様々な方法があるだろうが、本書は一つの指針を与えてくれる。
 「もって」は「以って」「持って」だろう。「ITを以って」、すなわち情報技術を活用して情報を収集すれば大いに参考になる。「ITを持って」、すなわちIT関連能力が身についていれば、その能力が役立ちそうだ。
 理解することは難しくない。具体的に一歩を踏み出すことが難しい。
 「終章 地域への参加:八つのヒント」。1.準備は早めに、2.IT力を身に付けよう、3.地域活動の情報を探そう、4.まずは「お試し」で参加しよう、5.自己紹介のポイントを押さえよう、6.活動はボランティアばかりではない、7.女性の力を借りよう、学ぼう、8.後輩が入りやすい仕かけを。

 

3.『バスジャック』

 タクシーで戻る妻と電話、二階扉を着けたと言ったら自宅から離れているのに降りてしまった。不意に回覧板に目が行くと、二階扉には鍵をかけないように。暫くして、二階扉辺りに何かたたきつけられたような激しい音、家が揺れるほどのすさまじい衝撃。『二階とびらをつけてください』
 バスジャックがブームである。バスジャック公式サイトでは「移動距離」「占拠時間」「総報道時間」「オリジナリティ」の四つの観点からランキングを日々更新している。『バスジャック』
 七つの超現実的な短編。並みの発想で小説は書けないかも知れない。それにしても日常を題材にした超現実、いつか起こりえそうに思えてしまう。三崎亜記は二冊目だが、その描き出す世界に引き付けられそうである。

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