美術:三越本店新館ギャラリー「土門挙の昭和」展
会期 2009年2月24日(火)~3月8日(日)
開館時間 午前10時00分~午後8時(最終日午後6時)
入館は閉館の30分前まで
入場料金 一般 900円
鑑賞日 2009年2月28日
公式HP http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/domon/
土門拳の写真からは、貧乏だけど逞しく生き抜いた昭和の息遣いが聞こえてくるようです。土門拳が、昭和の雰囲気だけを対象にしたわけではありません。しかし、昭和の印象が強いのは、多くの人とその時代を共有したためではないでしょうか。
とは言いながら、めぼしい作品は網羅されています。「こどもたち」「ヒロシマ」「古寺巡礼」「文楽」など。土門拳の足跡を俯瞰するためには、立地も含めて手ごろだと思います。
ただし、会場は必ずしも展示に配慮されているわけではありません。作品の上に照明の影ができたり、狭いコーナーで他人に当たるなど。作品もかなり密集して展示されています。ゆっくり鑑賞し難いので、それを承知しておく必要があります。
「こどもたち」「ヒロシマ」「古寺巡礼」などの何枚かは、過去に見た、あるいは書籍などで見た記憶が鮮明です。そういうものは、何回見ても胸を打つものがあります。
初めて見る一枚に、文楽の吉田蓑介の若い頃(文五郎時代?)がありました。修行の厳しさを感じさせます。それを見逃さない土門拳の鋭さ。
大分以前に、酒田の「土門拳記念館」を訪れたことがあります。今回の展示作品に興味をもたれたら、何かの折に「土門拳記念館」を訪れることをお勧めいたします。谷口吉生設計の建物は静謐な趣があります。鳥海山を遠望できるめぐまれた環境に位置します。作品の訴える力は何倍にも増幅されるます。それこそ土門拳と対峙することになります。いずれ再訪するつもりです。
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