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2009年3月28日 (土)

音楽:G・プッチーニ「歌劇・トゥランドット」

  指揮        沼尻竜典
  演出        粟国淳

  トゥーランドット姫 横山恵子
  カラフ       水口聡
  ティムール     志村文彦
  リュー       木下美恵子  ほか

  合唱   びわ湖ホール声楽アンサンブル
       二期会合唱団
  児童合唱 赤い靴ジュニアコーラス

  管弦楽  神奈川フィルハーモニー管弦楽団

  会場   神奈川県民ホール大ホール(3階9列37番)
  公演   2009年3月28・29日
  鑑賞   2009年3月28日14時~16時50分(休憩20、25分)

 

 「これがグランド・オペラだ!」と、関係者は自負しているのではないでしょうか。休憩を含む3時間弱、至福の時間でした。

 いつか定かでないが場所は中国北京。トゥーランドット姫に求婚する者は、姫の出す三つの謎を解かなければならない。解けなければ斬首。ペルシャ王子は謎解きに失敗し、月の出に処刑される。その雑踏の中で亡命中のタタール族元王ティムールは息子カラフに出会う。元王に従う奴隷リューは密かにカラフを愛している。しかしカラフはトゥーランドット姫の美しさに一目ぼれして求婚者になることを宣言する。さて物語りは・・・。

 第1幕。合唱「砥石をまわせ」。引き締まっている感じがして良い印象、アリアも良いけど合唱が重要。児童合唱が私たちは「山のお寺に鐘がなる」で認識するメロディを小さな声で歌う。うまいな。冒頭の旋律はこのあと執拗に繰り返して現われます。そしてリューのアリア「ご主人さま、聞いて下さい」は思いがひしひしと伝わってきます。歌い終わって拍手が沸き起こりました。リューは影の主役です。

 第2幕。冒頭の長い3大臣のアンサンブル、面白いな。トゥーランドット姫のアリア、難解そうだな。後半はカラフとのデュエットに。ヒステリックで孤独な感じは伝わってきますがちょっと損な感じがします。タイトルロールなのに。

 第3幕。冒頭のカラフのアリア「誰も寝てはならぬ」。舞台上に一人、オーケストラと対峙して朗々と歌い上げるのはまさにオペラ。音楽が切れないので心で拍手。最後、トゥーランドット姫とカラフは皇帝の前で「彼の名は…『愛』」と宣言します。コーラスは愛の勝利を讃えます。

 神奈川県民ホール・琵琶湖ホールと東京二期会の共同制作。昨年のR.シュトラウス「歌劇・ばらの騎士」に続く第2弾、今年は日本オペラ連盟を加えた4者による制作。内部事情はわかりません。しかしこの日の舞台を見たら、共同制作は良い方向に向っていると思います。3回で終わる予定ですが、いつまでも続くとよいですね。

 カーテンコールでこの日一番の拍手はリュー、私も納得。
 演出・美術も意図が何となく感じとれました。冒頭、多きな歯車が回る機械工場を思わせる光景。無機質で愛のない世界を暗示していたのではないでしょうか。
 技術的な細かいことは判らないのですが、オペラの醍醐味が充分に伝わりました。

 面白い光景がありました。終了と同時にオーケストラメンバーがピットから引き上げました。そして、何回目かのカーテンが上がったとき、舞台上にオーケストラメンバーが勢ぞろいしていました、こんなの初めてですけど何か良いですね、ほのぼのとして。神奈川フィル、定期公演に通おうかな。

 オペラって楽しいですよ。この「トゥーランドット」、見て損しないと思いますよ。明日出かけて見ませんか。

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コメント

オペラ、行きたかったです。
うちからは神奈川は行きやすいので、アンテナの電波が届くようにしないとだめですね。
どちらにしても、今無性に音楽が聴きたい。
生で。
あれから色んな場所で「ゴールドベルグ変奏曲」の話を読んだり、聞いたりするんですよ。CDを探してみることにします。
お薦めは何でしょうか。
知人がピアニスト、グレン・グールドの演奏が素晴らしいと言っていました。
お聴きになったことがありますか?

投稿: strauss | 2009年3月29日 (日) 19時20分

 Straussさんのアンテナは高いと思っていますけど、神奈川方面に向いていないのでしょうかね。横浜でもきらりと光る良い公演があります。3回続きのこの企画はその一つです。県民ホール脇まで電車で来られるでしょう、横浜へも是非。
 「ゴールドベルグ変奏曲」の名演奏CDにグレン・グールドは必ず入っているように思います。新・旧版があります。演奏時間が大分違っています。私の手持ちは残念ながら両方ともLPです。他の演奏家で良ければCDが7・8枚あると思います。この曲だけなぜか何枚もあります。チェンバロとピアノ演奏の何枚か送りますよ。先日の器楽合奏も。聞いて気に入ったものがあれば購入したら如何でしょうか。私は最近聴きませんので、手元に置いて貰っても構いません。暫くお待ち下さい。

投稿: F3 | 2009年3月30日 (月) 00時18分

同じ曲ばかり7,8枚もあるなんてすごい。
好きだからこそですね。
ありがとうございます!
是非聴かせて下さい。

投稿: strauss | 2009年3月31日 (火) 00時44分

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