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2008年12月30日 (火)

路上観察:国東半島の古刹(2008年12月30日)

 エアーポケットのような日に何をするか、出先であればなるべく歩き回ること。と言うわけで、小倉から大分県国東半島の付け根である豊後高田の古刹を訪ねました。

 JR日豊本線宇佐駅下車、とりあえず九州最古の木造建築である富貴寺を目指します。とは言いながらアプローチがが判らず、タクシーを利用(約4000円)しました。
 
  
 案内では、富貴寺は養老2年(718)に仁聞の開基。大堂は平安末期の12世紀後半の創建。阿弥陀堂形式で国宝。京都の平等院の鳳凰堂、岩手の中尊寺の金色堂と並ぶ日本三大阿弥陀堂に数えられているそうです。

 山裾に位置し、数十段の階段を上った平らな部分に阿弥陀堂が。緩やかな屋根の広がりが何とも穏やかな気持ちにさせてくれます。

 堂内に阿弥陀如来坐像が。ふくよかな姿、半開の眼差しは何ともやさしい印象。山門の石の仁王像は素朴なつくり、威嚇するというよりユーモアさえ感じさせます。堂の周囲に国東塔などの石造物が。

 この後は徒歩と決めていましたので、宇佐駅構内で見つけた地図を頼りに次の目的地である真木大堂に向かいます。約6Km、1時間少々でしょう。

 真木大堂は新しい収蔵庫で仏像群を展示していますが、実に圧巻でした。阿弥陀如来坐像とそれを守る四天王像が中央に。左に日本一大きな大威徳明王、右に不動明王と二童子が。九体の仏像、それもかなり大きな仏像が一堂に会する様は圧巻としか言いようがありません。
 昔は大寺だったようですが、でも何故この地に、との疑問が涌きました。
 
 
 さらに上り道を約3Kmほど歩いて熊野磨崖仏に到着します。正確に言えば胎蔵寺に到着します。磨崖仏は急な石段をさらに300mほど上ったところ。

 磨崖仏は二体、左に不動明王像、右に大日如来像。いずれも頭部は彫り込んでいるものの、首から下は形をなしていません。

 不動明王像は下膨れの顔で、随分と愛嬌があります。何か友達と呼んでも良いような印象さえ受けます。大日如来は少しは仏らしい顔をしていますが、それでも人間くささを感じさせます。
 どういう人達がこの磨崖仏を刻んだのでしょうか。疑問が涌きます。
 
 
 後は最寄のJR中山香駅を目指します。約5Km。
 結局、今日は15Kmほど歩いたことになりそうです。体の変調はありませんでした。今年は歩く機会が少なかったのですが、最低限の脚力は維持しているようです。

 国東半島一周の石仏巡りをしたい薄々思っていました。しかし、詳しく調べたことはありません。今回はそのほんの一端を探っただけですが、国東半島は充分な魅力を秘めていると感じました。少しづつ具体化しようと思いました。大分空港を起点にレンタカーで周る、それが最も実現性が高いと思っています。

 整理できないので写真は後日に掲載します。

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コメント

今年も残すところあとわずか。
さすがに今ごろは、横浜のご自宅で過ごされていることでしょうね。
今年もお仕事、お疲れさまでした。
お忙しいのに、いつも楽しい情報をありがとうございます。
これからもいろいろ教えてくださいね。
来年も、またどこかで楽しいひと時をご一緒できるといいですよね。
お会いできる日を楽しみにしています。
どうぞ、奥様共々、お元気でよいお年をお迎えくださいね。

投稿: さらら | 2008年12月31日 (水) 22時39分

こんな所で何ですが、
今年もよろしくお願い致します。

国東半島はいつかきっと行くと決めていた場所で、もしかしたら3月に実現するかもしれません。(ツアーに申し込みましたが、人数が集まらないと取りやめになります)
ずいぶん歩かれたのですね。
写真を楽しみにしています。

投稿: straussst | 2009年1月 4日 (日) 10時46分

 さららさん、今年もどこかでお会いできる機会のあることを期待しています。
 年始は少しのんびりしました。もう少し休みたいと思いますが、年末の代休を今週末に取得しようかと思います。計画は今から。相変わらず間際にならないと決まりません。

 Straussさん、今年もよろしくお願いします。
 状況によっては仕事もありえたのですが。種々条件を設定して考えた末に決めました。富貴寺が記憶にあったので、駅で地図を見てコース設定しました。20Km位までなら徒歩でも何とか成ると思っています。国東半島行、実現すると良いですね。ほんの一端しか見ていないのですが良いところだと思います。私もいずれ一周したい。

投稿: F3 | 2009年1月 4日 (日) 13時45分

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