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2008年11月23日 (日)

演劇:友達

 演出   岡田利規
 作    安部公房

 出演   男   小林十市
      祖父  麿赤兒
      父   若松武史
      母   木野花  他

 会場   シアタートラム
 公演   2008年11月14~24日
 鑑賞   2008年11月 2日 14:00~16:20(満席)

 

 一人暮らしの男の部屋に、突然押しかけてきた家族9人。男は訳の判らないままに部屋を占領され、そして小さな檻に閉じ込められてしまう。ある日、次女に差し入れられた牛乳を飲んだ後、男は体が震え、不意に震えがとまるとそのまま動かなくなる。「さからいさえしなければ、私たちなんか、ただの世間にしかすぎなかったのに・・・」。何事もなかったように出て行く家族9人。

 1967年初演の作品、新鮮であったテーマもいまでは日常茶飯事の出来事と言えるかも知れない。50年の経過は社会環境を大きく変化させた。

 5分前に席に着いたが、音楽が流れ、色を変化させる照明が客席にあてられている。観客も劇の構成要素と知れる。

 出演者は個性派俳優たちばかり。ベジャールバレーの元ダンサーであった小林十市。舞踏・大駱駝艦主宰の麿赤兒。元天井桟敷の若松武史、小劇場系の木野花。俳優は客席に向って語りかける。観客もただの世間を構成する。

 魅力的な出演者が舞台を面白くしている。しかし、2時間20分の上演時間は長いだろ。このような状況が珍しくなくなった現在、淡々と話が進んでも退屈する。観客を巻き込むのは良いとしても、客席に向けて語りかけることだけで一体感は形成されない。とするならば、舞台上で完結する演出でも良いように思う。芸達者が集まっているのだから。

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コメント

いつも思いますが、F3さんの文章は簡潔で的を射ているし、誰が読んでもわかり易いですね。理解が深いからでしょう。
>しかし、2時間20分の上演時間は長いだろ。
ほんとに……。苦痛でした。
出演者は良かったのに。
岡田演出は私と相性が良くない感じです。

投稿: strauss | 2008年11月23日 (日) 09時24分

 読みやすい文章を心がけるのですが、後で読み返すと誤字・脱字、文意不鮮明など気になります。ブログを書くようになって、以前よりは少気をつけて見聞きするようになりました。しかし理解は進んでいるでしょうかね、少し恥ずかしい思いです。
 ちょっと長かったですね。「フリータイム」の時は途中退場しようとも思いました。でも今回はそこまでの気持ちにはなりませんでした。
 先ほどさららさんとも話したのですが、ベテラン俳優人と若手俳優人に違う雰囲気がただよっていたと。若手は岡田色に近かったのですが、ベテランはそうは言いながら個性を出していたように思います。
 確かに岡田演出に違和感を感じているのですが、多分、機会があればまた出かけると思います。演出が変るか、こちらが慣れるか、面白いと思います。

投稿: F3 | 2008年11月24日 (月) 00時02分

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