随想:日々徒然の白想(2008年11月21日)
北九州小倉のホテルで朝食をとっていた時、聴いたことのある楽曲がBGMで流れていました。多分、ビオラ・ダ・ガンバにオルガンの通奏低音。何だろうと思いながら、ふとバッハの「ゴールドベルク変奏曲」だと気付きました。音楽に詳しいわけでありませんが、この曲が好きで、良く聴いているので気付きました。チェンバロかピアノの演奏が普通ですから、一瞬、惑わされました。でもとっても素敵だったのでCDが発売されていれば入手したいと思いました。
調べましたが判りません。どなたかご存知でしたら教えてください。
JR九州の広報誌「Please」、数十ページの小冊子ですがなかなか内容が充実しています。宣伝臭をオブラート(最近は通じないでしょうか)でつつんださわやかな内容です。11月号で惹かれた記事は「九州ものしり学・世界を歩いたキリシタン・ペトロ岐部カスイ」。11月24日に長崎で「列福式」が営まれ、江戸時代に殉教した日本人188人をローマ教皇庁が「福者」として公式に宣言するそうです。その一人がペトロ岐部カスイ。
記事中の図版に船越保武の「原の城」があり、長崎県美術館所蔵とのこと。
その彫刻作品を書籍で知り、実物を観たいと思っていた時期がありました。もう30年ほど前ですが、笠間の日動美術館別館の裏庭にひっそりとたたずんでいるのに偶然出会いました。うつろな目、力なく半開きの口、戦のむなしさがひしひしと伝わってきました。次に出会ったのは宮城県立美術館の軒先、ここにもあったと思いました。
そして長崎にも。作品に一番ふさわしい地かも知れません。
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コメント
楽曲を聴いて題名がわかるなんて、すごい。
わたしなんて、すごーく有名な曲でも出てこないことがしばしば。
船越保武の「原の城」は初めて見ましたが、
全体を包む雰囲気が長男桂氏の彫刻と驚くほど似てますね。
実物を見たいです。
投稿: strauss | 2008年11月22日 (土) 02時07分
たまたま知っていただけで、すごいなんて言われると恥ずかしい。32の変奏を終え、最後に再びテーマに戻ってくる。唐突ですが、輪廻とか無窮とかの思いが浮かびます。そこに惹かれます。
「原の城」、多くの具象彫塑のなかの傑作だと思います。調べると各地にあるようです。ある時期までは船越保武と桂が親子とは知りませんでした。桂は木彫ですが、憂いを含んだ作品群に、親子を感じさせるものが多いですよね。何かを決めて観るのも素敵ですが、偶然出会うのもなかなか良いものです。
後ほど。
投稿: F3 | 2008年11月22日 (土) 09時33分