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2008年9月

2008年9月28日 (日)

随想:政治家の発言

 私人・公人の切替スイッチがあるでしょうか。そんな物はありません。ですから、職責に関する発言は公人のそれと捉えられても、他の発言は私人、一個人の見識の発露と考えます。しかし、国会議員ならば極めて高いモラルに則った発言であるべきです。

 その観点から新聞報道等で認識した中山国交相の発言を私なりに吟味すれば、何とも粗末だとの結論に至ります。別に吟味するまでもないのですが、独善的で、思いやりのない発言です。

 

 成田空港については、『「ごね得」というか、戦後教育が悪かったと思うが、公のためにはある程度自分を犠牲にしてでもというのがなくて、自分さえよければ・・・』との発言。

 『1966年、御料牧場のあった三里塚・芝山地区を候補地と佐藤内閣は閣議決定。政府は地元から合意を得ず、事前説明を怠り、代替地等の諸準備が一切なされなかったことから、農民を中心とした地元住民の猛反発を招いた』のが端緒です。

 それを「ごね得」で一蹴するとは。国交相としても、ダム建設で湖底に沈む村や町、そして人々への一片の思いやりもないだろうと、あらぬことまで想像してしまいます。
 ご自身は、行政改革担当相を断って国交相に就任したとの報道もあります。これが事実なら、ご自身に自分を犠牲にする気持ちもないし、ごね得で、自分さえ良ければ、の格好の見本となりそうです。

 

 単一民族については、『外国人を好まないというか、望まないというか、日本はずいぶん内向きな、「単一民族」といいますか・・・』との発言。

 国際化とは、日本の中に異民族・異文化を招き入れることです。国交省はともかく、国会議員は率先して国際化に努めなければならない。民族・国籍で選好みしてはいけないのです。単一民族を意識するのは、国際化への逆行でもあります。
 日本国が単一民族構成でないことは、しぶしぶかも知れませんが既に承知したようです。とにかく何を根拠にこのような発言が飛び出すのか。社会的ステータスのはるかに低い私でさえ、こんな馬鹿な思いは抱きません。

 

 日教組については、『ついでに言えば、大分県の教育委員会のていたらくなんて日教組ですよ。日教組の子どもなんて成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低いんだよ。・・・』との発言。

 これについては撤回の意思もないようですが、何を根拠の発言でしょうか。日教組だけでなく、子供を含む大分県民に対する差別発言とも捉えられます。 

 国会における答弁や議員の発言も随分ひどいものがあります。その際たるものが、これらの一連の発言でしょう。

 

 昨日、ここまで書き終えていました。本日の新聞によれば、国交相辞任に向うようです。当然の成り行きでしょう。

 できるならば、選挙近しの党利党略でなく、このような発言が国交相としてのモラルを満たしていないと明確にして罷免して頂きたい。国会議員としても如何なものでしょうか・・・。

 

参考:
  中山国交相の発言内容要旨
  三里塚闘争

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美術:横トリ2008・勅使河原情報(2008年9月28日)

 

 横浜トリエンナーレ・ブログに下記情報(2008年9月26日 13:02 )が掲載されていました。観るのに結構待たされそうですから、後半に私の体験をメモしておきます。ご参考まで。

 『また(9月)28日、日本郵船海岸通倉庫では13時から18時まで日本が誇る舞踊家、勅使川原三郎さんによるパフォーマンスも行われます。
 1階のガラスの部屋で勅使川原さんとKARASの佐東利穂子さんが交互に光と音が交差する部屋の中で踊り続けるパフォーマンス。』

 初日限りと聴いていた勅使川原三郎が、再度パフォーマンスしてくれる。好評だったこともあるのでしょうが、嬉しい驚きです。

 

 昨日(9月27日)、佐東利穂子のパフォーマンスを観るのに約1時間強待ちでした。15時前に列に並び、16時頃に入場しました。入れ替えしていませんでしたので、一人退場したら一人入場するということで、なかなか時間がかかります。

 初日(9月13日)、勅使川原三郎のパフォーマンスの時に入場できました。この時は約30分待ち、列に並んだのは14時過ぎでした。入替えしていました。

 観客席はせいぜい30名ほどが入れる空間しかありません。本日は入替えするかしないかわかりません。が、とにかく1時間程度は待つ覚悟で行動予定を立てたら如何でしょうか。
 それでも観る価値は充分にあると思いますよ。

 現在(7時30分過ぎ)、横浜は雲が厚く涼しい。日中どうなるかわかりませんが、寒がりの方は薄手の上着持参がよろしいかと思います。ぜひ、横浜トリエンナーレにお出かけください。

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2008年9月26日 (金)

演劇:グヮンバレ利賀フェスティバルあるいは私的回顧(後編)

 その後、利賀フェスティバルはゆっくりと下り坂を滑り落ちていくようでした。カンパニーの活動の場が利賀以外に広がったこともあると思います。利賀フェスティバルの方向性も変化したように思います。俳優の変遷もありました。とにかく素人にはだんだん面白くなくなりました。

 2001年から2004年まで欠席。行かないとの明確な意識があったというより、なんとなく段取りが面倒くさくなった。それを上回る刺激を期待できなくなったのが事実です。

 平成の大合併で、2004年に東砺波郡利賀村は南砺市の一部になりました。行政との関係も皆無で無いと感じていますが、詮索したこともありません。別に面白くも何とも無いからです。

 2005年から再び利賀に出かけるようになりました。当時、愛知県南部の海辺の町に単身赴任中で、横浜起点に比べて利賀は圧倒的に近いこと。遊びに出かけた岐阜県養老の天命反転地で利賀村と大書された作品を見かけたこと。勝手知る利賀フェスティバルですからふらっとでかけようとの気持ちになりました。

 昨年、SCOT再始動が発表されました。具体的にどうなるかは知りません。2008年利賀フェスティバルは新趣向で開催されると思っていました。しかし、今年のプログラムは大きく変化していません。主要カンパニーも同一です。海外招聘カンパニーは限られています。そう簡単に準備が整うわけでないかも知れません。先立つものも必要でしょう。まあ来年に期待します。面白ろそうならば、一週間はい居続けますよ。そういう時期もありましたっけ。

 私が初めて利賀フェスティバルに出かけてから20年が経過し、結果的にですが一つのカンパニーの変遷を見てきました。それと利賀村の変遷、環境の変遷も見てきました。最近は学術用語であった限界集落も身近に感じられるようになりました。

 ここまで来たら、利賀フェスティバルを最後まで見届けるのも面白い。最も劇的であったりして。
 しかし、その前に私がくたばるかも知れませんけど。長年世話になる民宿M以外を利用する気もありませんので、ご夫妻にもいつまでも元気でいて欲しいし、旧利賀村も活性化して欲しいし。とにかくみんな元気でなければ。

 「日本は東京だけでない、世界は日本だけでない、この利賀村で世界に出会う」。グヮンバレ、利賀フェスティバル。来年は期待していますよ。

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演劇:グヮンバレ利賀フェスティバルあるいは私的回顧(前編)

 利賀フェスティバル2008は「シラノ・ド・ベルジュラック」を最後に幕を下ろしました。私はその1週間前に出かけたので最終日の様子は風の便りで知るだけです。以来、1ヶ月ほどが過ぎました。しかし、もう随分昔のことのように思えます。
 

 コンサート・ゴーアーではありあません。それでも、演劇に通うよりはコンサートに通う方が圧倒的に多かった若き日でした。40歳になって、少しまとめて演劇を観よう、と思ったのが利賀フェスティバルに出かけるきっかけでした。

 それまで演劇界のことは知らないに等しい。しかし、とにかく利賀に行こう。そう思わせたものが何であったか、今となっては記憶が定かでありません。とにかく横浜から利賀に出かけました。

 思い返せば実に大胆、ちょっと無謀。少し他人と異なる、いや大いに異なる私の行動。まだ週休二日など実現していませんでしたから、休暇を二日取得、会社を終えてから夜中に自動車を走らせる二泊半三日の行程でした。

 三公演を観ました。先日も少し触れましたが、「川村毅演出・深浦加奈子主演・第3エロティカのボディウォーズ」が野外劇場で。立錐の余地が無いほどの入りで、最近の満員とは随分違います。野外劇場奥手の池も今より小さく、池の上の花道も一本しかありませんでした。

 当時、白石加代子はSCOT退団直後だったと思います。利賀フェスティバルのピークは少し過ぎていたようです。が、それでもまだまだ元気がありました。

 確か水曜日が休演日でしたが2週間にわたって、毎日2・3演目が上演されていました。能・舞踏・ダンス・音楽と、ジャンルも様々。昼間は秀作映画の上映なども記憶に残ります。

 本部前の広場では、利賀村有志による夜店などが設けられていました。利賀フェスティバルは、利賀村で開催するフェスティバルというより、利賀村全体のフェスティバルという趣を感じたものです。

 芝居が終えて民宿に帰る道すがら、空には降るがごとくに星が輝き、その中を天の川。地面には蛍が乱舞。生粋の横浜っ子には見たことの無い光景が広がっていました。

 帰路、利賀村を出る時は二度と来られないと思いました。あまりにも遠いと。ところが、数年の欠席はありましたが、以来20年以上にわたり夏休みは利賀。なんてこった。
 

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2008年9月21日 (日)

舞踏:降りてくるもののなかで -- とばり(日本初演)

   演出・振付・デザイン  天児牛大

   舞踏手  山海塾(天児牛大、蝉丸、岩下徹、他)

   音楽   加古隆、YAS-KAZ、吉川洋一郎
   演奏   矢野小百合(Vn)、
        佐藤万衣子・任キョンア(Vc)
        吉川洋一郎(Synth)、他
   舞台監督 中原和彦

   劇場   北九州芸術劇場・中劇場
   公演   2008年9月20~21日
   鑑賞   2008年9月20

 舞い終えてゆっくり暗転する舞台に、舞踏手たちが美しい。漆黒の闇が降りる前の最後の輝き。

 「”とばり”とは/室内に垂れ下げて/室内を隔てるのに用いる布のことである。/が、古来”夜のとばりにつつまれる”/など、昼から夜への変化に用いられた言葉である。 天児牛大」

 7つのタブロー、「Ⅰ.虚空から」「Ⅱ.夢の中の闇」「Ⅲ.写しあうものたち」「Ⅳ.闇の中の夢」「Ⅴ.夜の青」「Ⅵ.降りくるもののなかで」「Ⅶ.虚空へ」。

 その一つ一つを描写する能力は私には無い。例えば、天児のソロで、虚空に向けて大きく口を開ける場面がある。何かを叫んでいるようだ。何かに抗っているようでもある。

 ただ、その場面場面を切り出しても何かが判るわけで無い。全体を通してクレッシェンドして、最後に転調(暗転)する。とばり。そして、唐突に輪廻、無窮動の言葉が頭の中に浮かび上がる。

 印象深い舞台を支えた舞台美術と音楽の功績も大きい。
 ホリゾントに無数の小さな明かりが輝く。天空を彩どる星空のよう。舞台中央に直径5m程の円形の台、高さは10Cmもなさそう。やはり無数の小さな明かりが輝く。それは天空を縮小した星座盤。舞台進行につれ変化する明かり。自然と人工の境界で舞う。

 音楽は独奏ヴァイオリンの趣のある部分、電子音が類似のメロディを繰り返す部分。音楽だけを取出して聴きたいと思わせる。音楽もテーマに収斂する。

 不遜な言い方になりそうだが、天児の舞踏は判り易い。相性が良いのだろうか。三回しか観ていないわりには大胆な発言、独りよがりかも知れないが。テーマに収斂し、そこから自分の思いが展開していく。だから良い舞台だと思う。東京公演にも出かけるか。
 

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2008年9月18日 (木)

随想:新神戸駅にて

 もう少し詳しく言えば、新神戸駅上りプラットホームにて、となります。
 先日、山陽新幹線新神戸駅で電車を乗り継ぎました。少しの待ち時間、プラットホームから下を眺めていました。

 山から降りてくるハイカー一人、少し脇に視線をずらすと川で遊ぶ少年一人。かって私は、何度となくこの道を登り降りし、川に視線を向けたものでした。

Koube1Koube2 

 

 

 

 神戸三宮方面から新神戸駅に向かい、高架である新神戸駅の下をくぐるとこの道に出ます。そのまま登れば10分ほどで布引の滝。布引の滝は4つの滝の総称のようですが、私は写真の雄滝しか記憶にありません。数十mの高さから落下する水の被膜は、名前の通りにとてもやさしい印象です。

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 布引の滝を後にしてさらに登ると、4・50分で市が原。生田川上流のかなり広い河原で、いつ行っても多くの人たちで賑わっていました。神戸市民の憩いの場所であるようです。そして六甲縦走路のオアシスでもありました。

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 市が原からさらに北に向かえば、トウェンティクロスを過ぎて神戸市立森林公園へ。トウェンティクロス、邦名は二十渉、小さな川を何回も渉りながら進むゆえに。二十あるか否かは数えたことがありません。市が原から西に向かえば大龍寺、再度公園、菊水山を経て明石に向かいます。縦走路を逆方向に歩くことになります。

 市が原から東に向かえば、二時間ほどの登りで摩耶山掬星台、この登りが六甲全山縦走では最大の難所と言われます。摩耶山掬星台からの夜景は1000万ドルだそうですが、夜に行ったことはありません。別にナイトハイキングでなくてもロープウェイあるいはドライブで行くことができます。さらに歩き続ければ六甲山最高地点を経て宝塚に至ります。

 六甲山を最後に歩いたのはもう5年前。今の時期になると六甲全山縦走が頭を過ぎります。三度目の完走目指してチャレンジしたいのですが、今は体力低下でとても無理。あきらめた訳ではありませんのでいつかきっと。

 新神戸駅から山道を見下ろしてそんなことを思い出していました。横浜には無い神戸の良さの一つ、それは気軽にあるいは気合を入れたハイキングコースが間近にあること。これはとてもうらやましい。

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2008年9月16日 (火)

読書:最近の読書から(2008年9月前半)

1.『魂の古代学』
    上野誠、新潮選書、1200円(税別)

2.『その絵、いくら?』
    小山登美夫、セオリーブックス講談社、1400円(税別)

3.『溺レる』
    川上弘美、文春文庫、400円(税別)

 

1.『魂の古代学』

 書店の民俗学の一角に平積みされていた。「問いつづける折口信夫」の副題。伝記はまず読まない。それを意識したら手に取ることはなかったかも知れない。折口信夫の名を知らぬわけではないが、その業績を突き詰めて知る必要性は今の私にはない。しかし、内容は大変に興味深かった。乱読も捨てがたい。
 折口は物事を包括的に把握するようなところがあるようだ。折口と著者の冒頭の架空対談でそう感じる。
 エピローグに折口の人となりの要約がある。 (1)大衆読書時代の「万葉集」のテキストを作り出した (2)差別の視線をえぐり出して、そこからのまざざしと関係性の古代学を構想した人 (3)そして、日本人の魂のありかを探索し (4)日本人の信仰について考え抜き (5)時に醜い日本人を告発した人。そうか、容易に万葉集を手にとれるのは折口あってのことなのか。
 要所で原著引用、これが折口の人となりを鮮明にする。例えば「神道の意義は、明治に入って大に変化している。憲法に拠る自由信教を超越する為に、倫理内容を故意に増して来た傾きがある。・・・」。国家と神道が結びついた過去、こういう主張が許容されていたんだ。巧妙に権力に立ち向かったようでもある。学者も様々。
 歌舞伎等にも子供のころから親しんだ。「渡辺保著・舞台を観る眼・角川学芸出版」中、「折口信夫という存在」が少し繋がった。

 

2.『その絵、いくら?』

 村上隆の「マイ・ロンサム・カウボーイ」に、2008年前半のオークションで16億円の価格がついた。著者はこの作品のエディション(限定数の複製)5つのうちの1つを扱ったことがある。確か1998年頃に約500万円で売った記憶があるそうだ。500万円で制作費などを差し引いても利益はしっかり出ていた。それから10年、作品の価値は300倍以上になった。この時のエスティメイト(落札予想価格)は3.2億~4.2億円だった。何でも16億は高いと思ったようだが、美術品の価格はどのように決定されるか。
 美術品の価格には、プライマリーとセカンダリー・プライスの2種類がある。前者はギャラリーで新作を展示販売するときの価格、アーティストとギャラリストの間で決定される。後者は相場、売る側と買う側の合意により決定される価格である。
 プライマリーは、恒久性のある作品が高くなる。そして版画などの複数作品が作られるものより1点ものが高くなる。現代アートの場合はアーティストとギャラリーの取り分は50:50。絶対額はどう決定するのか。まずは売れる価格に設定する。
 多くの人にとってアートは高値の華だが、しかし、無名に近いころの作品は手ごろかも知れない。好きなものを好きだと言える勇気。時にリスクを伴うが、それを買えるということは良いことだ。
 私もそう思う。好きなものを好きだと言える勇気はある。しかし・・・。ギャラリーに行ったからといって必ずしも買わなくとも良いそうだ。ギャラリーは生のアートを価格つきで鑑賞できる場所、もっと足を向けても良いかも知れない。

 

3.『溺レる』

 シュール、そう感じさせる短編8作。メザキさん、モウリさん、ユキオ、ナカザワさん、ハシバさん、サカキさん、ウチダさん。各々の主人公の相手はどうも一筋縄ではいかない。
 メザキさんと一緒に蝦蛄を食べに行くが、電車どころか車もろくに通らないような場所で帰れなくなる「さやさや」。しかたなく歩き出して途中で雨に振られる。雨が降りはじめておしっこが我慢ならなくなっていた。道端の草むらで。サクラさん、さみしいね、メザキさんの声がした。おしっこしててもさみしいよ、メザキさん。
 少し前から逃げている。二人して逃げている。逃げるつもりはないがそうして逃げているがすぐにわからなくなってしまう「溺レる」。モウリさんはリフジンなものから逃げている。コマキさんは何から逃げているんですか。私は答えられない。一つ逃げてみますか。
 どれを読んでもなかなか納得のいく話でない。しかし、それが不快かと言えば決してそんなこともない。最初に読んだのが「古道具 中野商店」。昭和の雰囲気を残す佳作。その後に「蛇を踏む」、そして「溺レる」。どうもその間がうまく埋まらない。頭が固いか、もう少し読んでみよう。

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2008年9月15日 (月)

美術:黄金町バザール(2008年9月13日)

  会期   2008年9月11日(木)~11月30日(日)
  時間   11:00~20:00(一部18:00終了)
  場所   京浜急行日ノ出町駅~黄金町駅間の高架下新設スタジオ、
       大岡川、駅、周辺店舗、他
  入場料金 無料(一部必要かも知れませんが未確認)
  公式HP http://www.koganecho.net/JPN/index.html

 横浜トリエンナーレ・会場から徒歩移動を予定していました。しかし、BankART Studio NYK(横浜トリエンナーレ2008会場)から水上タクシーが、土・日・祝日に運行されているので、それを利用しました。汽車道やランドマークタワーを見ながら大岡川をゆっくりと遡ります。
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 黄金町周辺は、かつて違法な特殊飲食店が軒を連ねていましたが、地域再生活動を目的としていろいろな催しが行われてきました。
 横浜トリエンナーレと時期を同じくして開催されるこのバザールは、2つのアートスタジオをメイン会場に、周辺の特殊飲食店を改造した展示場や地域商店も参加します。持続可能な街づくりの一環、多くの人に足を向けていただけると、非関係者としても嬉しく思います。

 水上タクシーを下船すると、目の前に日の出スタジオ。ここにはBizArt(アートスペース)、クアドラド(横浜をモチーフにしたスカーフの制作・販売)、田宮奈呂+me ISSEY MIYAKE(ファッションショップ)、銀座トカイ(ハンガリアンカフェ)が入居。

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 BizArtでは中国上海のアートシーンから映像インスタレーション。これが面白かった。声を上げて笑いました。出演者がまじめに演じて(?)いるので余計におかしい。内容は見てのお楽しみです。

 黄金スタジオは、縁側に腰掛けて知らない人やアーティストと交流する雰囲気が漂います。
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 福本歩(骨董品もどきの作品を展示販売)は、何か得体知れないものもあってそれが面白い。狩野哲郎(秘蔵の種によるインスタレーション)は、部屋の中でその場の環境に適合した何かの種が発芽、驚きと感動を覚えます。ウィット・ビムカンチャナポン(ペーパークラフトのフルーツショップ)は、ペーパークラフトの型紙を販売、制作したら本物と物々交換してくれる、何とも楽しいフルーツショップ。その他。
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 横浜美術館 with バザールは平野泉の作品展示。女性のランジェリーを一本の繊維にまで解きほぐし、別の形に編み上げる。近所のおばさんが、くもの巣が張っているよと言ったそうだ。ここは展示替え有。
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 黄金バザールには肩肘張らない楽しさがありました。横浜トリエンナーレからちょっと足を延ばして、横浜の下町を感じてみませんか。

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美術:横浜トリエンナーレ2008(2008年9月14日)

  会期   2008年9月13日(土)~11月30日(日) 計79日間
  場所   新港ピア、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、
       赤レンガ倉庫1号館ほか
  入場料金 一般 1800円
  公式HP http://yokohamatriennale.jp/

 

 今日は三渓園会場に出かけました。主会場から離れていて交通の便もあまり良くありません。なかなか行きづらいと思います。

 私は三渓園のみに的を絞ったので自動車で出かけました。自動車を本牧市民公園駐車場に停め、三渓園南口から入場しました。トリエンナーレ入場券を提示すれば、三渓園入園料を払う必要はありませんでした。

 三渓園には多くの重要文化財があります。まず三渓園を愉しんで下さい。折りしも9月14日は中秋の名月、重要文化財の臨春閣には月見飾りが。
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 中谷美二子は、小さな渓谷を人工霧で覆う作品。時々人工霧を発生させ、自然との競合・協調において周囲を際立たせる。風で薄らいでいく霧、再び現れてくる景色。木漏れ日の変化。見慣れた風景の再提示、印象的です。
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 ホルヘ・マキとエドガルド・ルドニッキは、旧東慶寺仏殿を利用したサウンドインスタレーション。堂内に入り扉を閉めれば闇、いや裸電球が一つ。電球は右奥上から左手前下にゆっくり移動します。その間、素朴な擦弦楽器と電子音が持続します。20分、拘束された空間で何を思うか。コンクリートの部屋だったとしたら何の面白みもないでしょう。
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 ティノ・セーガルは、旧矢箆原家住宅内での身体表現。旧矢箆原家住宅は白川郷から移築されたかなり大型の合掌造り民家。奥の間で男女が抱擁を繰り返す。立って、横たわって。できる限りゆっくりと。途中で別のペアーが引き継ぎました。切れ目なく続くかも知れません。トリエンナーレの観客ばかりでなく、普通に三渓園を訪れた一般客もいます。苦情も出ているとか。まあびっくりするかも知れません。衣服は身に付けていますので、念のため。
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 内藤礼は、横笛庵におけるインスタレーション。横笛庵は茶亭。風炉の代わりでもないのだろうが電熱ヒーターが二つ。その上に軽い繊維による数十Cmの紐が吊り下げられている。上昇気流で様々に動き回る紐。微細な自然を感じます。
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 そこそこに面白いと思いました。しかし、大輪の華は咲いていないようです。案内も見ないで歩き回った結果、キャメロン・ジェイミーとトリス・ヴィナ=ミシェルを見落とました。また出かけましょう。

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2008年9月13日 (土)

路上観察:Autumn in Yokohama(2008年9月13日)

 すこし気取ったタイトル、ジャズの名曲のようですが。
 ようやく暑さにかげりが見え始め、秋到来。この夏は日本本全国、熱帯並みの暑さやゲリラ豪雨、地球の歴史からすれば誤差の範囲内でしょう。しかし、そこは生身の人間。日々過ごしやすくなりほっとしたというのが実感。

 しかしほっとばかりしても居られません。港横浜では数々の催しが開催され、ホットなシーズンを迎えます。特に興味ある範囲を整理しますので皆さんもぜひお出かけ下さい。

(1) 横浜トリエンナーレ2008  2008年9月13日~11月30日

 本日開幕、早速一回りしてきました。どんなものがあるかなと覗いただけです。これから何回かにわけてじっくり見ようと思っています。
 本日は勅使河原三郎のパフォーマンスを見たことが特筆。途中で入れ替えでしたが、公演に行きそびれていたので短時間でも本人を見られたのは幸運。移動途中に田中眠とすれ違いました。踊りながら反対方向に移動していたのですが、その時に気づかず後で確認して気付いた次第。会場の様子は追って紹介します。

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(2) フライングダッチマンプロジェクト  2008年9月12日~9月15日

 会期が短いのが何とも残念。興味あればお急ぎで。横浜美術館前広場の前方の空き地で開催中、無料です。昼間見て、夕食が終えてからまた出かけました。ライトアップされた姿はシャープさを増します。さまよえるオランダ人が目の前に浮かび上がるか。ヨットの骨格のようにも思えます。

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(3) 黄金町バザール  2008年9月11日~11月30日

 開催中。京浜急行・日の出町駅と黄金町駅間のガード下とその周辺が会場です。横浜トリエンナーレ・日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)会場から船便(モーターボート)を利用して移動しました。夕方2時間ほどでしたので、まだ全貌を確認していませんが、雑多な催しがあるようで、こちらも必見。トリエンナーレを山の手と例えれば、バザールは下町。

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(4) 横浜ジャズプロムナード2008  2008年10月11/12日

 先日チラシが郵送されてきました。今年も盛りだくさんのプログラムが用意されています。トリエンナーレ&ジャズを同時に楽しんでしまうのもグッドアイディアです。

(5) 第10回港よこはまツーデーマーチ  2008年10月11/12

 詳細がわかりませんが、関連情報源から日程はこの日のようです。ジャズプロムナードとまったく同じ日ではないですか。どちらにするか悩みます。

 その他の催し物は、横浜経済新聞横浜アートナビなどを参照すると情報が得られます。それでは、横浜の秋をお楽しみください。

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2008年9月 9日 (火)

美術:もうすぐ開幕、横浜トリエンナーレ2008

  会期   2008年9月13日(土)~11月30日(日) 計79日間
  場所   新港ピア、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、
       赤レンガ倉庫1号館ほか
  入場料金 一般 1800円
  公式HP http://yokohamatriennale.jp/

 

 いよいよ今週末、横浜トリエンナーレ2008が開幕します。私は既に前売り入場券を購入しました。

 先日、会場めぐりをしました。と言っても、まだ内部が見られるわけではありません。メイン会場を近く遠くに眺めただけです。メイン会場3箇所をぐるっと回るだけで小一時間でしょうか。

Dsc_0917  JR桜木町駅(JR京浜東北線下りで、横浜駅から1駅)下車、改札を出て左手(海側)に進みます。左手にランドマークタワーが見えています。そのまま正面の信号を渡り、道なりに進んで、もう一度信号を渡ると日本丸パークの傍らに至ります。(写真:駅を出た地点で進行方向向き)

 

Dsc_0920  目の前に新港地区へ向けて、海の中を進むように舗道が延びています。汽車道です。かつては新港埠頭への物資輸送に使われた臨港鉄道の遺構です。(写真:汽車道の入り口付近)

 

 

Dsc_0923  汽車道が終わると、そこにインフォメーションセンター・イエノイエがあります。ひとまず覗いてみたら、何か良いことがあるかも知れません。不明の点はここで確認できると思います。(写真:インフォメーションセンター・建設中)

 

 私は、新港ピア、赤レンガ倉庫1号館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)の順で回るのが良いと思います。インフォメーションセンターを基準にすれば菱形の角に各会場があると思えば良いでしょう。(写真:左から新港ピア、赤レンガ倉庫1号館、日本郵船海岸通倉庫(赤レンガ倉庫前から見た))
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 当日は案内もあると思いますので迷うこともないでしょう。ぜひ、横浜トリエンナーレ2008にお越しください。って、私は関係者ではないのですが。

 開幕したら、また報告します。

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2008年9月 7日 (日)

読書:最近の読書から(2008年8月後半)

1.『俳句という愉しみ』
    小林恭二、岩波新書379

2.『俳句脳』
    茂木健一郎・黛まどか、角川テーマ21 A85、705円(税別)

3.『現代日本の小説』
    尾崎真理子、ちくまプリマー新書071、760円(税別)

 

1.『俳句という愉しみ』

 「俳句という遊び」の続編。しかし、当初から企画されていたわけでなく、読者の反応の大きさと参加した俳人たちのもう一度やりたいと思う気持ちが、再度の句会の実現のきっかけ。
 句会の場所は御岳渓谷(東京都青梅市)、前回参加と新たに参加の俳人8人(うち女性1)、著者と編集子の黒子2人。
 1日目嘱目で1時間半の間に一人10句。計80句から各人10句を選句。最高4点が3句。披露しておこう。
  「大寒の日を押してくる青梅線   大木あまり」
  「凍蝶になほ大いなる凍降りぬ   藤田湘子 」
  「荒星や毛布にくるむサキソフォン 摂津幸彦 」
 二日目は題詠、「舌」「猫」「日向ぼこ」「竹」「線」「時計」「雪」「土」「待つ」「寒」。作品はぜひ一読願う。
 昭和15~16年に特高警察に新興俳句が弾圧されたことを知る。理由は反戦的ということになっているようだが。17文字の表現力の深さの証明か。不幸すぎる出来事を記憶しておこう。

 

2.『俳句脳』

 3部構成、「俳句脳の可能性・茂木」「ひらめきと美意識・対談」「俳句脳--ひらめきと余白」。2・3・1の順で読んだ。
 裏表紙に本書のテーマ「俳句と脳」。ちょとまて、「俳句脳」とは違うだろう。うまく展開すれば面白い話になるとは思うのだが。
 1部は説明過剰か。2部は時々話が飛躍する。3部は俳句紹介。
 5年後、10年後の脳科学はどうなるか。「俳句と脳」でなく「俳句脳」の話を期待していますよ。

 

3.『現代日本の小説』

 著者は読売新聞東京本社・文化部次長。1982年入社、1992年に文化部記者になった直後から10余年にわたって「文芸時評」を担当。読売新聞は未購読につき著者の仕事は知らない。
 日本近代文学は終わった、文学史は完結した。それでも新しい作家は出てくる。新人賞は増え、応募者は右肩上がり。
 1987年の「ばなな伝説」、よしもとばななから話は始まる。村上春樹には多くページを割く。金原ひとみ、綿矢りさの芥川受賞、ワープロ化とジェンダーの消滅。キーボード入力と新しい表現など、社会の変化と文学界の変化。文学は疎遠にしていたので一読ではとても理解できないが、文学界の状況を概観できる。
 エピローグ、21世紀に入った最初の年、川上弘美「センセイの鞄」、堀江敏幸「いつか王子駅で」など、昭和の名残のある風景の中に描かれた静謐な作品世界が、私たちの心を和ませてくれたのはやはり何かの反動であったに違いない、と言う。そうかも知れない。
 これからは文学とも仲良くしようと思った。

  

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路上観察:日本最古の庶民のための学校(2008年9月6日)

 その昔、備前の殿様・池田光政が庶民教育目的に開設、藩営としては日本最古の庶民のための学校、それが閑谷学校です。場所は岡山県備前市。

 一度は訪れたいと思っていました。尼崎市に住んでいたころ、直島への往復の際に付近を数度通過しているのですが、時間が遅かったりして行きそびれていました。

Sizutani0  「中村好文著:意中の建築(上巻):新潮社」中に「石塀に会いにゆく」との見出しで閑谷学校が紹介されています。数年前に一読し、写真で見る建物の美しさ、石塀の美しさに、いつか自分の目で見てみたいものだとの思いをさらに強くしていました。表紙の絵が閑谷学校のイメージです。

 JR山陽本線・吉永駅を起点にしました。4Kmに満たない距離、本当は歩きたかったのですけど、荷物もあったためタクシーを利用(往路約1200円、復路約1500円)しました。

 

 閑谷学校は、谷あいの道の奥、山懐に抱かれるようにしてその姿を現しました。暖かい、のどか、静か、そんな雰囲気を一瞬のうちに感じとりました。勉学の地にふさわしい場所だと。

 石塀はかまぼこ状、幅2m・高さ1.5mほど。
 かまぼこ状と形容したのは、上部が円弧状に仕上げられているためです。角がないため穏やかな雰囲気。頑丈な塀ですが、その気さえあれば乗り越えられる高さ。侵入を防ぐというより、学校内外の境を明示するため、視線を遮る目的のように思いました。しかし、様子をしりたければどうぞ覗いてください、と言う高さでもあります。あくまでも庶民に開かれた学校だったのだと感じました。
 石塀は正面だけでなく、側面、山の斜面になる裏面まで続きます。
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 国宝である講堂も美しい。備前瓦の屋根、飾り気のない堂内。陰影礼賛、そんな思いが浮かびます。
 鶴声門と呼ばれる正門、戸を開閉するときの音が鶴の声に似ているような。団体についた案内の方が試していました。鶴の声を知らないので何とも。正門をまっすぐに進む少し小高い位置に孔子廟があって、儒学を中心にした教育が行われていたようです。Sizutani3
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 少し離れたところにある黄葉亭まで足を延ばしました。小さな川の合流地点にある茶室を思わせる小亭です。ゲストハウスとして利用されていたようですが、見に来る人も少ないのでしょうか、戸で閉ざされていました。途中に、閑谷学校を実質的に切盛りした津田永忠邸跡があります。
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 私と前後して団体2組が到着しました。少し行動をずらすようにして2時間ほどかけてじっくり見学しました。急な立ち寄りでしたが、心穏やかな時間となりました。それと、少しだけですが勉強しないといけないと思いました。少しだけですが。一度来てみると、今度は黄葉の時期に再訪したいと思うようになりました。

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2008年9月 4日 (木)

演劇:2008年利賀フェスティバル・劇評2(2008年8月22日)

『ヘッダ・ガブラー』

   作    ヘンリック・イプセン
   演出   中島諒人
   制作   島の劇場

   出演   中川玲奈   ヘッダ 
        西堀慶    テスマン
        赤羽三郎   ブラック判事
        斉藤頼陽   レェーブボルク
        村上里美   エルヴステード夫人、他

   劇場   利賀芸術公演・利賀山房
   時間   16:00~17:30

 ヘッダは故ガブラー将軍の娘。テスマンは学究の徒、大学教授を目指す。二人は新婚旅行から帰ったばかり。テスマンは旅行中も研究に明け暮れ、ヘッダには退屈だった。
 ヘッダが住む町に、やはり大学教授を目指すレェーヴボルクとエルヴステード夫人が到着する。二人は一緒に仕事をしている。
 ヘッダとレェーヴボルク、エルヴステード夫人とテスマンは各々、昔の恋人。ヘッダとエルヴステード夫人は旧知。
 ヘッダはエルヴステード夫人に嫉妬を感じ、2日間で多くの事件を企てるが、かえって自分を追い詰める結果に。

 前半は良い。しかし、事件を企てるあたりから状況が判りにくくなった。たとえば、ブラック判事のパーティで酔ったレェーヴボルクは論文原稿を失くす。それをテスマンが発見し、返すようにと受け取ったヘッダはストーブで燃やしてしまう。しかし、なぜ燃やしてしまうのか。やがて自ら命を絶つのも判りにくい。底流にあるものは嫉妬だろうが、判りにくかった。観る側の課題も大いにありそうだが。

 中川は傲慢な将軍の娘がよく似合う。他の俳優もみなうまい。しかし利賀でシリアスなテーマ選択は不利かも知れない。SCOT系の演目と競合するのは必至。この後も地元公演があるけれど、一度、地元で観て見たいものだ。島根は遠いが。

 

『ロナルド・マクドナルドの物語』

   作    ロドリゴ・ガルシア
   演出   ジョルジオ・B・コルセッティ

   出演   アンドレア・ディ・カーザ  
               ロナルド・マクドナルド

   劇場   利賀芸術公演・創造交流館
   時間   19:00~20:00

 マクドナルド・ハンバーガーの道化である「ロナルド」が仕事をしながら、現代を痛烈に皮肉る。お客さん、仕事、国家。たとえば、日本は原爆を落とされたがその後一生懸命に働いたからいまの繁栄があるとか。

 イタリア語上演・字幕つき。俗語も多く全体の理解が進まなかった。しかし、瞬間瞬間は結構面白い。一人芝居だが、一部に自分が演じる映像との共演もあって退屈もしない。うまく全体把握はできなかったが、楽しい一時であった。

 

『令嬢ジュリー』

   作    A・ストリンドベリ
   演出   億土点

   出演   島田桃依    ジュリー
        古澤祐介    ジャン
        畦地亮佑    クリスティン、他

   劇場   利賀芸術公演・特設野外劇場
   時間   21:00~22:10

 女中・農夫が踊り狂う。ジュリーの父・伯爵は留守。ジュリイは下男・ジャンと踊りに興じ、その夜、ジュリイはジャンに身を任せる。ジュリーは暗い家庭生活をジュリーに打明ける。ジュリーは二人でイタリアに逃げ、新生活に入ろうと自信ありげに言う。
 ところが朝になって主人である伯爵から用事の呼び鈴が鳴ると、ジャンは下男に戻ってしまう。そのように仕込まれてきたからどうしようもないと。ジュリイはジャンのいい加減な話で、二人の思いにずれのあることをを知る。
 やがてジュリイは一夜の夢も果て、打つべき手もなくなり、農夫らのリンチで死を迎える。

 特設舞台は制約が無いと言えば無い。俳優は思う存分に動き回ったが、何でもできるゆえに何かまとまりの無い印象を受けた。

 大きな大八車(わかりますか)を数mの崖上から客席に向けて落としたり(紐がついていて途中で止まるが一瞬はっとする)、その大八車にジュリイを縛り付けて車輪を軸にして高々と晒したり。結構、思いがけない表現、断片的に強烈な印象は残るが、全体として何だったのか。身分階級、人種差別のあった時代、テーマは重大なものだが。

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