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2008年8月30日 (土)

美術:2008年利賀フェスティバル・美術編(2008年8月22日)

『金沢21世美術館・ロンミュエック展』

  会期   2008年4月26日(土)~8月31日(日)
  開館時間 午前10時~午後6時、
       毎週金・土曜日は午後8時まで
       入館は閉館30分前まで
  休館日  毎週月曜日、ただし例外あり
  入場料金 一般 1000円
  鑑賞日  2008年8月22日
  公式HP http://www.kanazawa21.jp/

 利賀の往路・復路で、途中にある美術館へ寄ることも楽しみの一つです。ここ三年、金沢21世紀美術館には必ず寄っています。 

 ロンミュエックの作品はコンセプチュアルリアルと称されるようですが、このような記号化で何が判るのでしょうか。リアルからある程度のイメージが生起されます。しかしコンセプチュアルとは。そのイメージが形成できればこの展覧会を観た甲斐があるというものです。もちろん何のイメージが形成されなくたって悪いという訳でもありませんが。

 人間の顔を何倍にも拡大した作品。全身を何倍にも拡大した、あるいは何分の一かに縮小した作品。大きいね、小さいね、リアルだね、そこまでは私にもすぐわかります。

 臍帯の取れない横たわる赤ん坊の像「Girl」。身長は5mほど。しっかり握られた手、重ねられた足、体には拭き残された血の跡。身体の細部にまで視線が届きます。ここまで赤ん坊を丹念に見たことがあるでしょうか、否。実にグロテスクな存在であることに気づかされます。

 裸の男の像がボートに座る「舟の中の男」。身長は0.7~0.8m。行く先を不安そうなうつろな目で見る姿。何にも庇護されない弱い男の存在を感じます。

 等倍で対象を見る視線は意外と頼りなく、本質を見逃しているかも知れません。大きな像、小さな像は対象の本質をするどく提示します。

 私の視線を虫の視線、鳥の視線に自在に切り替えらるならば、世の中のあらゆるもののより本質に近づけることに気づかされます。

 わずか7点の作品で構成されるロンミュエック展。私は小さな像により興味を抱きました。自分自身を鳥の視線、すなわち遠くから冷静に見つめる思い。特に「舟の中の男」に自分自身の弱さを垣間見る気がしました。

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