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2008年7月13日 (日)

演劇:MODE・心中天網島

 出演    孫高宏    紙屋冶兵衛             
       山田美佳   小春(遊女)・さん(冶兵衛の妻)
       中田春介   粉屋孫右衛門            
       得丸伸二   身すがらの太兵衛(冶兵衛の恋敵) ほか

 構成・演出 松本修

 会場    笹塚ファクトリー
 鑑賞    2008年7月13日15時00分~17時00分(休憩10分)
 公演    2008年7月 4日~13日(東京公演終了)
       2008年7月18日~21日(大阪公演)

 

 舞台床に衝立でk囲って10m四方ぐらいの空間。衝立は要所に人が通れるほどの隙間があります。その中に、目見当で80ほどの客席がコの字形に配置され、その中央で俳優は演じます。

 進行するにつれて畳一枚大の縁台が三つ、組み合わされて使われます。遊郭の一室であったり、紙屋の店先だったり。

 主要な役の俳優はそれらしい衣装を着けています。しかし、脇役は私服(?)だったりします。特に違和感は感じませんでした。

 台詞は原文が尊重されていたと思います。多少遊びの部分はありましたけど。原文をそのまま用いるのは、ある意味賢明な方法ではないでしょうか。現代語訳してしまうと、言葉の面白さもなくなってしまうでしょうから。

 ただし、役者が韻文をうまく表現できていたか、私は何となく板についていないように思いました。普段の話し言葉ではないので仕方ないですね。古典芸能ではないのですから。

 山田美佳は二役、義理を欠いてはいけないと思う意思も固く、かつ繊細な二人の女を熱演。二人は同質な女でしょうか、多少疑問が湧きました。二役だから仕方ないかも知れません。

 孫高宏は随分とがっちりした冶兵衛で私のイメージとは多少離れていますが、揺れ動く気持ちがうまく伝わってきました。

 ところで、10m四方の空間で道行をどのように成り立たせるのか、そんな疑問を抱いていました。これは暗転している間に一辺の衝立を取り去り、その背後にあった普段なら観客席であろう階段状の空間を出現させることで解決しています。ここに多数のろうそくを灯し、道行きから死出の旅立ちの場となります。

 階段状の客席を利用するのは観客からも見やすく、なおかつ狭い空間を大きく感じさせる優れた演出だと思います。ただし、手に手を取り合ってたどたどしく進んでいるイメージは弱くなりましたけど。

 夜が明けて通勤・通学の人々が二人の姿を見つけ、携帯電話で写真を撮る人、見つめてから立ち去る人。ここで現代との接点が出来ました。

 多少、私なりのイメージからかけ離れた部分もありました。しかし、近松を限られた空間で演じ、テキストに沿ってなお古典でない舞台となりました。松本修・MODE、これからも注目です。次は「曽根崎心中」を希望しておきます。

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コメント

自分のブログに書き忘れてそのままになっているのですが、
私はとても面白かったです。
松本修演出のお芝居は「審判」「失踪」が初めてだったので、役者さん達の動きとか、舞台の使い方にとても興味がありました。
あの空間であれだけのことをするのはすごいと思いました。余裕さえ感じられてちょっとこにくらしくもあり……。
山田美佳の二役は同じタイプの女性と見ました。惹かれるんですよ。そういう人に。多分。
これからも観たいと思わせられる芝居でした。

投稿: strauss | 2008年7月19日 (土) 12時06分

 私も全体感は同じです。限られた空間を巧みに使って、劇的な効果を出していました。道行をどうするかと心配させておいて、暗転してる間に空間を広げてしまうなんて。私の見方がネガティブに捕らえられたら書き方が不充分です。私なりの高望みです。

 ただいま京都と言うか奈良と言うか、から帰ってきました。奈良から大阪に回って大阪公演を見ようかと思っていました。14時開演と時間的に早いことと、ちょっと気持ちが変化したので寄りませんでした。しかし大阪公演はどんな感じなのか、そう思わせるほど刺激的ですよね。もう一泊して見てくれば良かったかな、今となっては後の祭りですけど。

 山田美佳、魅力的ですよ。Straussさんの見方が的を射ているように思います。ただ、冶兵衛を間に挟んで対峙するか、惹き合うか。互いに義理は立てたいのですが。

投稿: F3 | 2008年7月19日 (土) 22時27分

ネガティブに捉えたわけではないんですよ。
きっとMODEについて多くを知ってらっしゃるから、眼が厳しいと思っているだけなんです。
私は初心者なので、あまり深い所まで見えてないので。

投稿: strauss | 2008年7月20日 (日) 22時49分

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