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2008年5月31日 (土)

美術:森美術館・英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展

  会期   2008年4月25日(金)~7月13日(日)
  開館時間 月・水~日曜日  10:00~22:00
       火曜日      10:00~17:00
              (いずれも最終入館時間は閉館の30分前まで)
  入場料金 一般 1,500円
  鑑賞日  2008年5月26日
  公式HP http://www.mori.art.museum/jp/index.html

 W・ターナーの名前が冠せられた賞は、現在、50歳未満の英国人及び英国在住者の絵画・彫刻・写真など既存のメディアに縛られない作品が選考対象。1984年に開始され、1990年は一度中止されたがそれ以降、刺激的な若い作家が多数受賞するイベントとなり、イギリスのもっとも有名な美術賞となってきているようです。

 この展覧会は、過去の受賞アーティストの受賞当時の作品を中心にして構成、必ずしも受賞作品でないことは記憶にとどめる必要がありそうです。

 『回顧すると、この権威ある賞が、最も斬新なアートに与えられてきたことにあらためて驚かれることでしょう。ウィットに富み、ユーモアに溢れ、知的で、ポップで、衝撃的なそれらの作品群は、今見ても非常にクールで刺激的。現代美術の中心地から、世界へ投げかけられた大きな刺激を再発見することができます。』とは、展覧会概要に記された言葉です。

 「クールで刺激的」であったか。見終えての感想はそこまで突き詰めたものではありませんでした。と言うより、比較的印象の薄いものでした。時の移ろいは残酷かも知れません。ターナー賞が創設されて20年余、現代美術で括れる範囲内と思います。しかし、この瞬間から見れば、はるか昔のことのよう。

 私が認識していた受賞アーティストは二人。リチャード・ロングとグレイソン・ペリー。

 リチャード・ロングを明確に認識したのは、直島ベネッセハウスにある作品「瀬戸内海のエイヴォン川の泥の環」、その他から。美術館の壁面に製作してあるので動かしようもなく、後で大変ではないかと思った次第。空間を占拠したこと、それはそれで刺激的ですが。
 今回の展示作品は、四角い棒状の石を並べて円環にしたもの。リチャード・ロングであることは判る。がタイトルは失念(A4版一枚で良いから作品リストを用意して欲しい)。

 グレイソン・ペリーは、昨年の金沢21世紀美術館の「我が文明:グレイソン・ペリー展」が圧巻でした。
 今回の展示作品は壷が4つ(?)でした。そこから、彼の過激さは思い浮かべることは困難でした。

 二人をマイルストーンにして他の作品を観たのですが、印象深かったのは「デミアン・ハースト:母と子、分断されて」でした。

 この作品は、実物の成牛と子牛を左右真っ二つにし、各々の塊をホルマリン漬けにして少し離して配置したもの。内臓を見ながらその間を歩ける。宣伝チラシの表面にも掲載されているので、この展覧会の目玉でしょう。

 死をテーマにし作品であることは明白です。しかし、どのような意味で印象的なのでしょうか。「牛を真っ二つにするなんて?」「ホルマンリン漬けの塊から死を感じ取れるの?」「そもそもこれが芸術?」。私は肯定的な受け止め方をした訳ではないのです。しかし、明白な死がそこに存在するのに死とは受け止めがたい。これは種々の情報において死が届けられるのにどこか虚構のように思ってしまうことと同質かも知れない。もっと繊細な感覚を身に着けなければならないと暗示するのかも知れません。

 会期は残り一ヶ月以上ありますのでもう一度出かけてみようと思います。

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受信: 2008年5月31日 (土) 21時35分

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