路上観察:広島・原爆ドーム
「市電原爆ドーム前駅」を下車すると、並木に遮られるようにして原爆ドームが確認できました。報道写真やTVニュースなどでその姿は認識していました。しかし、周囲の環境などはまったく知りませんでした。急に目の前に現れたことに多少の驚きを覚えました。
市電通りを進行方向(広島駅から遠ざかる)に少し進むと相生橋。この橋の下で太田川(多分、記憶に残る名前)は本川と元安川に分かれます。二つの川に挟まれた一帯が平和記念公園になります。この位置から元安川下流を眺めると左岸間近に原爆ドームが見えます。天気が良かったせいもありますが、随分と明るい雰囲気です。
原爆ドームの姿は認識していても、考えてみれば被爆前の姿を承知していません。原爆ドームの対岸の案内板に昔の写真が掲載されていました。これが一瞬のうちに、今の姿になってしまったのだそうです。上部のドームは銅葺でしたので、熱で溶けて鉄骨だけが残ったそうです。窓が多
かったりしたこともあって、爆風が抜けたことで建物は全壊をまぬがれたとのこと。在りし日の姿と比べてみて下さい。
平和記念公園を散策。供養塔、慰霊碑の前で合掌。多くの人が祈りを捧げていました。TVニュースなどで原爆慰霊碑は認識しています。その形状は埴輪の家を模しているそうです。その前に立つと視線の先に原爆ドームが望める位置関係になっていました。
原爆資料館は涙なしに観られないと思っていました。しかし、目頭は熱くなりましたが落涙までには至りません。展示はかなり抑制された表現になっているようです。本などから得た知識よりはやわらかな表現になっているようです。それでも原爆の悲惨さは伝わってきますし、戦争の悲惨さも。多くの外人さんもいましたが、私と前後して熱心に見入っている南米系と思える青年の姿が印象的でした。
「三度許すまじ原爆を」「全ての人びとに平和な生活を」、そう思いながら帰路につきました。
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