路上観察:伊豆の長八美術館
先日、西伊豆・土肥を目的地として家族小旅行をしました。伊豆方面への旅行は久しぶりです。町並みも随分と変わっているのでしょう。しかし、横浜辺りと比べるとゆっくり変化しているように思えました。
横浜から沼津経由で、ひとまず土肥を通り過ぎて松崎まで足を延ばしました。一度は訪れようと思っていた長八美術館が目当てです。
漆喰なんて言っても若い方はしっくい(り)しないでしょう。在来工法による和風家屋の壁の仕上げなどに用いられていましたが、今は見かけることも殆どありません。調べたこともありませんが、高価な工法になっていると思えます。長八美術館は漆喰による芸術的表現を目指した長八の業績を展
示する美術館なのです。長八とは、幕末から明治にかけて活躍した、当地出身の入江長八のことです。
見終えてからの感想です。彫刻(彫塑と言うほうがが適当か)と見れば立体感に欠けます。絵画と見ればもう少し描きこんでも良いかと思います。でも、それは現代の視点で見るからでしょう。明治時代において、この表現は画期的なものだったと思います。
別の視点。美術館に収まってしまった時点で、その表現は随分と後退してしまうのでしょう。やはり、建物のあるべきところに収まっていてこそ真価が発揮されると思いました。でも、作品保護のためには致し方ない。
長八美術館は建物自体も見るべきものがあるようです。それは全国から腕自慢の左官工が集まって技術の粋を尽くしたようです。私には観る目がないのでわかりませんでしたけど。機会あればもう一度訪れて、じっくりと見てみたい。
長八美術館を出てから松崎の町を少し散策。中瀬邸、ときわ大橋、近藤邸、なまこ壁通り。明治の雰囲気が感じられます。酒屋さんの裏側の窓に現代が。
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