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2008年3月 3日 (月)

読書:最近の読書から(2008年2月)

1.『意識とはなにか -- 私を生成する脳』
    茂木健一郎著、ちくま新書434、700円(税別)

 昨年暮れから3冊目の茂木健一郎の著書になります。対談集が二冊で単著は初めて。いよいよクオリア(質感)に。

 世界について把握できるのものは、結局、自分の意識の中で<あるもの>としてとらえられるものだけであることはよく判ります。では・・・。

 特別扱いを認めないことで発展してきた科学が、特別扱いせざるをえないのが私たちの意識、主観的体験。いま、脳科学はさまざまな成果を上げているにも関わらず、絶望的とも言える壁に直面する。その壁とは、脳の神経活動によって私たちの意識が生み出されるかが、皆目判らないこと。それなら別のアプローチもありえる・・・。

 クオリアとは、例えば、キラキラとギラギラを弁別できるような普遍的な概念。クオリアが脳の神経活動からいかにして生まれるかを説明することが、脳科学の最大の難問であるとみなされている。

 <あるもの>が<あるもの>であること、<私>が<私>であることをの根本をクオリアを通して考える。それが本書の流れです。

 難しそうですが、私は私なりに理解することを試みました。難しいことをやさしくも考えられる、それは奇妙なことであると著者は言います。しかし、それも意識の特徴のようです。まだ面白いと感じるには至りませんが、でもその予感はあります。趣味の世界ですからゆるゆると。

 

2.『1973年のピンボール』
    村上春樹著、講談社文庫、400円(税別)

3.『風の歌を聴け』
    村上春樹著、講談社文庫、381円(税別)

 初村上、次村上です。いまさらと思う方も多いでしょう。ですから、これでやめようと思います。ただ、新鮮な印象を抱きました。決してそのような生活をしていたわけではありませんが、懐かしい気持ちになりました。近いうちに最近刊を読んでみます。

 

4.『愛国者は信用できるか』
    鈴木邦男著、講談社現代新書1842、700円(税別)

 著者は新右翼団体「一水会」を創設して代表に、現在は顧問程度の知識しかありません。息子が読んだと思いますが、自宅に本があったので一読しました。水切りする石の様に、ところどころに著者の考えを肯定できる部分があります。右翼もかなりの思想的な広がりがある、と判ります。

 「愛国心は国民一人一人が、心の中に持っていればいい。口に出して言ったた嘘になる。また他人を批判するときの道具になるし、凶器になりやすい。だから、胸の中に秘めておくか、どうしても言う必要がある時は、小声でそっと言ったらいい」。これは本書の結びです。もっともだ、大声で愛国心を叫べば、黙っている人より愛国心があると言えるのか。

 卒業式シーズン、過剰な職制による日の丸・君が代に関して、「そこまでして「君が代」を強制する必要があるのだろうか。教師や生徒もそうだが、日の丸・君が代もかわいそうだ。こんな争いの道具にされたかわいそうだと思う」。考え方に差はありますが、私の結論は類似します。

 1974年8月、左翼の<狼>の三菱重工爆破に多少の言及があります。著者は、そこまで思いつめた心情に感銘を受け、今から思えば憂国の情に感動したのだろう、と言います。
 当日、私はビルの谷間に湧き上がる爆発の煙を見ていました。勤務先が斜め前のビル。昼食のタイミングで被災することはありませんでしたが。思想の如何に関わらずテロに共感してはいけない。思い入れもあって取り上げましたが、流れの前振りのような部分です。あまり強調してもいけないと思いますが。

 他人の考え方をまず理解して、肯定・否定の判断が必要です。しかし、判っていながら難しい。思いが先行することが多い。気まぐれで読んだようなものですが、新鮮な感じがしました。

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コメント

珍しいですね、村上春樹。
懐かしかったですか。

私の読書と言えば小説ですが、
合間にいろんなジャンルのものを読むように心がけています。
今も首を捻りながら挑戦しているところです。
刺激にもなるし、視界が開けるような気がするときもあります。
何にせよ活字を追うということは楽しいですね。


投稿: strauss | 2008年3月 3日 (月) 23時49分

 小説を読まないわけではないのですが、最近、疎遠です。名古屋
駅で急いで買って、電車に乗り込みました。村上春樹とは同世代で
すから、なにか同時代を過ごしたような感じがするのでしょう。

 量ではないですが、それにしても月4冊は少ないです。読めば視
界は広がりますけど、自分で購入すると傾向が似通ってしまいます。
時々、息子からの課題図書も適度な刺激です。

投稿: F3 | 2008年3月 4日 (火) 00時15分

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