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2008年2月 3日 (日)

舞踊:バットシェバ・ダンス・カンパニー「テロファーザ」

 演出・振付      オハッド・ナハリン 
 照明         バンビ
 衣装         ラケフィット・ラビ
 ドラマツルギー・音響 オハッド・フィショフ
 音響効果       ステファン・フェリー
 出演         バットシェバ舞踊団
            バットシェバ・アンサンブル

 会場         神奈川県民ホール(25列48番)
 鑑賞         2008年2月3日15時00分~16時20分(5割程度)
 公演         2008年2月2・3日(神奈川公演終了)

 おじさんの涙腺は弱いのだから、そんなに感動を与えてもらっても困るのだ。涙をこらえるに苦労するではないか。でもまた日本に来て欲しい、何があっても観に行くから。

 雪の朝、今日一日は家の中で過ごそうと思いました。しかし、公演案内を一通り見たら、そうだバットシェバ公演は本日だと気づいて、出かることにしました。とは言いながら、何の予備知識があったわけではありません。縞柄のボディタイツで体をひねった官能的なポスターに惹かれた。それもありますが、最近、ダンス公演に飢えていたのも事実です。

 舞台上に4面のスクリーン、全てのスクリーンに「10:00」が映し出されていました。15時、開演時間になると会場は以前人が出入りしていましたが、スクリーンの数字はカウントダウンを始めました。「10:00」は10分のことでした。スクリーンの数字が「0:00」になると、ダンサーが出てきて踊り始めます。

 ダンサーは30名以上、時にソロを取ることはあっても基本的には群舞。メロディアスな音楽、電子音、時には無音で群舞が繰り広げられます。奇を衒った演出はなく圧倒的な身体性の表現。小さなグループに分かれて、同期したり非同期になったり。木目細かく動く身体各部はシャープでほれぼれします。正確にはわかりませんが、クラシック系と言うよりヒップホップ系のようにも見えます。

 スクリーンにカメラが接続されています。カメラの前に立つダンサーの顔を写したりします。あるいは、一人のダンサーを四方から写すように配置を変えて、その中心に入って一人づつ交代で踊ったりします。他のダンサーは周囲を回りながら、自分の番を待ったりします。

 最後のほう、レイチェル(ダンサー)がカメラに向かい、観客に動作を要請します。口に手を当てて、今日食べたものを思いだすように。目に手を当てて愛おしい人を思い浮かべるように。ひざに手を置いて・・・、腕を組んで・・・。そして立ち上がるように・・・、踊るように・・・。
 この時、舞台上にはイスが用意されていてダンサーは観客に対面するように座り、同じように動きます。ついにはダンサーが激しく踊り、残念ながら観客はぎこちなく体を動かします。それでも素晴らしいのですが、もっと格好良く踊れたら。会場は一体感で結ばれます。

 レイチェルはポリティカルなメッセージを発信するわけではありません。しかし、彼らがイスラエルのダンスカンパニーであることを思えば、私たちが日々当たり前のように行なうことが如何に素晴らしいことか、そう言っているように思えます。武器を持たない若者たちが、芸術によって世界平和を築きあげる可能性を秘めているように感じた次第です。このような舞台に巡りあえることの何と幸せなことか。雪の降る寒い日に熱い感動を貰いました。

 オペラグラスに、どう見ても日本人だろうと思える女性が一人写りました。後にメンバーを確認しましたら確かに日本人、島崎麻美と記されていました。何だか判りませんが偉いなと思いました。

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