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2008年1月20日 (日)

音楽:モンテヴェルディ・歌劇オルフェオ

  音楽監督・指揮 濱田芳通
  演出      伊藤隆浩
  演奏      アントネッロ

  主なソリスト オルフェオ      春日保人
         エウリディーチェ   高山潤子
         ムジカ、プロセルビナ 花井尚美
         アポロ、牧人、エコー 櫻田亮 、他
  会場 神奈川県立音楽堂(25列1番)
  公演 2008年1月19・20日
  鑑賞 2008年1月20日15時~17時50分(途中休憩25分)(満席)

 モンテヴェルディの名前は知るものの作品・背景に関する知識なし。演出家に指揮者が加わったプレトークで予備知識を仕入れました。「突然発生することは無いのだけどオペラの出発点。その時代、オルフェオはアバンギャルド。フルスコアは無く、歌と通奏低音のみがある。オルフェオはメモが多いほう、アドリブで和音を作っていった。他人の演奏を五つばかり聴いたけどみな異なっていた。・・・」。と言うことは、今回も独自のリアリゼーションなのでしょう。

 物語の舞台は神話時代のギリシア。今は亡き最愛の妻・エウリディーチェを黄泉の国から連れ戻すことを許されたオルフェオ。ただし、再び地上に戻るまでは振り返って彼女の姿を見てはならないと言われる。それなのに・・・。日本神話のイザナキとイザナミと同類です。

 櫻田亮は、大分以前ですがバッハコレギュームのカンタータ・シリーズで聴いたことがあります。その他のソリスト・演奏者はまったく知りません。

 舞台上の配置はZ型。
 上の横棒を舞台奥と仮定すると、そこは2m高ほどの通路状のスペースが左右に、舞台一杯に伸びます。下の横棒は舞台手前の通路上のスペースで同様に。斜めの棒は両者を結ぶ階段状の通路。それらの間のスペースに演奏者が。そうです、オーケストラピットを使わずに舞台上に演奏者が。古楽器を使用しているのでそれらを見る楽しみもありました。

 派手な演技は殆ど無く淡々としていました。作曲された時代を考えれば何となく納得。前半、ソリストの声量がもう少しあればと思ったのですが、後半は充分でした。演奏も古楽器利用の小編成では音量不足かと思いましたが、決してそのようなことはありませんでした。久しぶりに県立音楽堂に行ったのですがやはりホールも楽器、良い音が響いていました。定員も1000名ほどですから、プログラムには適当な規模だと思います。全てのバランスが良かった。

 衣装も素晴らしかった。スティーブ・アルメリーギとクレジットされているだけで詳しくは判りません。でも、ルネッサンス期の装いだと思いますが、とても美しかった。

 演出も素敵でした。珍しい点を二つ。
 5分前の合図が、何の楽器が不明ですが金管系の楽器で演奏されました。客席後方から聴こえましたが姿は見えず。ロビーで演奏していたのかも知れません。私は席についていたので定かでありません。
 演奏開始前に豪華な衣装をつけた殿方とご夫人が、客席の一番前に左右から出てきて舞台のほうを向いて着席しました。結局何もしないで舞台を鑑賞していました。恐らく王様と女王様だと思いますが、お二人に対して演奏された初演時の様子を再現したものでしょう。とすれば、お客は同席した貴族。

 モンテヴェルディー、今まで興味を示すことは無かったのですが、なかなか良いものです。ルネッサンス期の音楽は素朴ですが楽しそうです。楽しいものが段々増えていくので嬉しいやら困るやら、贅沢な悩みを抱えることになりました。

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コメント

いいですねぇ。
優雅ですね~
貴族気分私も味わってみたいものです。
最近いい音楽が聴きたくてたまりません。
楽しいことが増えていくのは素敵なことですよ。

6月に演奏会(マンドリン・アンサンブル)でモーツァルトも弾くので、
もしご都合がよろしければいらしてください。
もっとも、F3さんにとっては雑音にしかならないかも知れないのですが……。
詳細は下記で。
http://comrade.ensemble.mydns.jp/modules/news/article.php?storyid=6

投稿: strauss | 2008年1月21日 (月) 23時54分

 「冨士山アネット」か「オルフェオ」か、結局は会場が近いことから「オルフェオ」へ。何せ県立音楽堂は自宅から歩いて15分も要しないので。
 当日券で入場でしましたが、チケットは殆ど残っていませんでした。モンティヴェルディ、よくはわかりませんけど音楽界で言えば特殊なジャンルだと思います。それなのに満員とは。通人が多いのでしょう。
 殆ど予備知識なしに出かけたのですが、終わってみればモンティヴェルディに首っ丈。もちろん、演奏のアントネッロにも惹かれました。私のアンテナに登録しました(現在非公開、整理できたら公開予定)。音楽も良いですね。暫く忘れていたような気がします。今年は音楽も演劇も、になりそうです。

 楽器を演奏できることは素敵です。ハイキング途中、街中から少し外れた中学校から、「ヘンデル・水上の音楽」などが聴こえてくると、思わず立ち止まってしまいます。上手・下手でいえばはっきり言って下手(私でもわかる)です。しかし、いつまでも続ければ宝物になるぞ、と思ってしまいます。がんばれよとも。私は何の楽器も出来ません。だから余計に、楽器を演奏できることは素敵だと思います。

投稿: F3 | 2008年1月22日 (火) 11時33分


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投稿: Robertvurne | 2024年6月15日 (土) 09時42分

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