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2007年9月30日 (日)

美術:イリヤ・カバコフ『世界図鑑』絵本と原画

  場所   神奈川県立近代美術館葉山館
  開催期間 ~2007年11月11日(日)、
       原則月曜日のようですが休館日注意
  開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
  入場料金 一般 1200円
  観覧日  2007年9月29日(土)

 小雨にぬれる葉山館は一際落ち着いた雰囲気を醸し出しています。視界もさほど悪くなく、葉山の御用邸に続く海岸線や沖をいくウィンドサーフィン・魚船などが視界に入ってきます。やや色彩のあせた風景もなかなか良いものです。

 イリヤ・カバコフを認識したのは、2000年には越後妻有トリエンナーレにおけるエミリア・カバコフとの共作「棚田」によります。妻有の大地と一体となった作品は、どこか郷愁を誘い、働くことの喜びを高らかに歌い上げて、私の心に染み入る作品の一つになりました。2004年の森美術館における「私たちの場所はどこ?」には行きそびれてしまい、残念に思っています。

 今回の企画展はタイトルからもわかるように絵本の原画が中心です。そして、完成した絵本の実物展示と一ページずつめくった状態で観ることのできるディスプレイ展示があります。

 1冊の絵本に原画は数十枚あるわけで、展示点数が実に多い。1000点ぐらいあるという説明をどこかで見かけました。葉山館の展示スペースはさほど広くありません。しかし、今回の企画展に限れば、じっくり観るのも結構根気がいるほどの広大な空間になっています。期間途中に展示替えもあるようです。

 絵本の原画はそれだけでは未完成です。絵本の流れは誰が作るのでしょう。カバコフは旧ソ連体制化でこの作品を制作しています。もろもろの環境を推測しながら、カバコフの主張がどこまで表出されているか判断する必要がありそうです。

 しかし、今回の展示は原画が主体です。後から加えられる文書のための空白は確保されていますが、文書は書き込まれていません。ですから、種々の制約はあるでしょうが、残された範囲でカバコフの主義・主張が発揮されていると思えます。画風や色使いはストーリーによって使い分けられています。何よりも、子供たちに夢や知識を与える素地となっています。『世界図鑑』と銘打ったタイトルが実感できます。

Scan10003 カバコフの塗り絵コーナーもありました。子供連れでも充分に楽しめます。
 そこでお得な情報を一つ。2007年10月13日(土)は葉山館会館記念無料招待日だそうです。混雑しそうにも思いますが、渚ハイキングと組み合わせて、秋の一日を楽しんでみるのは如何でしょうか。詳細は左の添付資料を参照して下さい。

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