« 私的名所・その4:丹州氷上のこと | トップページ | 直島・地中美術館のこと »

2007年4月 8日 (日)

NAOSHIMA STANDARD 2展のこと(その3)

Dsc_0028  妹島和世+西沢立衛/SANAAの「空」は、本村の民家と民家の間の広場に作られた巨大なモビールです。ステンレス(?)の棒と板で作られた雲。頭上で風に揺れ、周囲の影を移し、輝きを変えて、のどかな雰囲気を醸し出します。人工の雲との対比により、普段何気なく見る空をより鮮明に感じます。だから、雲でなく「空」?。

Dsc_0226  宮本隆司の「ピンホール直島」は、幅180Cm、高さ150Cm、奥行き90Cmの巨大なピンホールカメラで撮影された写真展示。カメラ中に入り込んだ本人をも写しこんだ直島の風景は、深い青みを帯びていて敬虔な気持ちさえ湧き上がります。時代の先端を行くディジタルカメラの対極にある原始的なピンホールカメラから、なぜこのような感動が生まれるのでしょうか。牛舎、幼稚園、音楽教室、卓球場と歴史を重ねた木造の建屋、現名称ピンポンギャラリーでの展示も良い組み合わせです。

Dsc_0186  須田悦弘は、元碁会所跡に建てた建屋の畳に、木で作られた椿を散らしています。椿は木であろうといぶかしく思うでしょうが、そうではないのです。朴の木を削りこんで花弁を作り、重ねて、椿を作ったのです。天気の加減で明るさが中途半端だったせいか、目に鮮やかな印象は薄かったです。一層、もう少し薄暗いと印象は異なったかも知れません。2001年の作品、木で作った竹には大いに驚かされました。他所ですが、木で作った睡蓮も目にしました。感動する気持ちが少し薄れたかもしれません。常に新鮮な気持ちを持てれば、そう思います。

Dsc_0181  千住博は、製塩業で財をなした石橋家の母屋と内倉を使用して「滝」の連作を展示しています。母屋には、赤、青、黄などの原色で描かれた15の滝の絵が連なっています。内倉には、壁の二面を使った紺色を基調にした滝の大作が展示されています。薄暗い内倉の大瀑布の絵からは、絶えることなく落ちる水の音さえ響いてくるような気さえしました。絵だけでも、内倉だけでも、このような気持ちは得られないでしょう。

Dsc_0132 杉本博司の「タイム・エクスポーズド」は、海から立ち上がるいくつかの崖に展示された作品。意味は理解できませんでした。後に解説を読んで意図するところは判りましたが理解が進んでいません。しかし、何であろうかと最も考えた作品ではあります。

 デイヴィッド・シルヴィアンは、直島を訪れた際に触発されて製作した音によるインスタレーションです。「空」の脇で、iPodを借り受けて聴きながら他の作品を巡り歩きます。しかし、目に気持ちが集中し、音すれど聞こえず状態でした。私には印象の薄い作品になりました。

 ようやく「NAOSHIMA STANDARD 2」展の整理ができました。再訪すれば、もう少し良い鑑賞者になれると思います。会期はあと一週間残っています。しかし、横浜から直島は遠い。残念ながら、いずれかの機会を待つことにします。

| |

« 私的名所・その4:丹州氷上のこと | トップページ | 直島・地中美術館のこと »

コメント

大変充実した生活を送ってらっしゃる様で、羨ましい限りです。

デヴィッド・シルビアンって、もしかして、あのイギリスのロックバンド「JAPAN」のデヴィッド・シルビアンでしょうか?
こんな所で彼の名を聞くとは、思ってもいませんでした。

大変興味深い作品がたくさんあるようですね。
直島は一度行ってみたいと思っている場所ですが、いつになることやら。

投稿: うめざき | 2007年4月14日 (土) 10時51分

 うめざきさん、コメントありがとうございます。

> デヴィッド・シルビアンって、もしかして、あのイギリスのロックバンド
> 「JAPAN」のデヴィッド・シルビアンでしょうか?

 はい、そのとおりです。って、私にとって未知の分野なので、解説書からの受け売りしておきます。

 『シルビアンが直島を訪れた際に触発された、島の精神性、風土、自然の美しさなどに基づいて製作されたサウンドインスタレーションを展開している。この作品では、彼自身が製作した音と、参加ミュージシャンによる伝統的な楽器の通常とは異なった演奏、コンピュータ・プロセスを経た音や人間の声などが合奏のように組み合わされている。』

 ぜひ、直島を一度訪問して下さい。できればなるべく早い時期に。

 私が始めて直島に足を踏み入れたのは2001年で、今回が4度目になります。この5年の間に、直島はかなり変貌を遂げています。変貌が悪いわけではありません。しかし、行くつく先が単なる観光地ならば、私を惹き付けていた何かを失うでしょう。

 大きく言えば、過疎化・高齢化の問題にも行き着きます。が、それは項を改めて書く機会を持ちたいと思います。
 

投稿: F3 | 2007年4月15日 (日) 10時11分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: NAOSHIMA STANDARD 2展のこと(その3):

« 私的名所・その4:丹州氷上のこと | トップページ | 直島・地中美術館のこと »